人や組織の「口ぐせ」を観察する
人はだれでも、多かれ少なかれ、その人特有の口ぐせを持っているもの。
・「めんどくさい」が多い
・「至急」「大至急」「なるはやで」の指示が多い
・「すごく多い」「大変」など形容詞や感情的な表現を多用する
・「何件あるの?」「何時間かかるの?」など定量的な説明を求める
・「結論から言ってくれ」「結論から申し上げますと」を多用する
・「2点あります」「3つのポイントに絞って説明して」などナンバリングしたがる/させたがる
組織にも口ぐせはあります。
・「あなたは、どう思う?」とメンバーに問うマネージャーが多い企業
・「壁打ちしよう」(壁打ち:相手に自分の考えを聞いてもらって意見をもらう対話)と言う人が多い部署
・「なぜなら~」を発する人が多いチーム
個人の口ぐせはその人の思考パターンや行動特性を、組織の口ぐせはその組織のカルチャーを反映しています。
相手の口ぐせを知り、その人や組織の心地よいパターンやリズムで話を進める。滑らないファシリテーションのポイントです。
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【口ぐせをふまえて対応する】
●「めんどくさい」が口癖の人
→仕組みや仕掛けで解決する方法を提案する
●形容詞や感情的な表現を多用する人
→共感を示しつつ、定量的な情報を引き出す
●定量的な根拠を求める人
→数字で説明しつつ、感情を添えて、感情を重視する人の共感も得られるようにする
●結論を急ぐ人
→結論から話す
●むしろ結論から伝えるとイラっとする人
→背景から説明する
●ナンバリングを好む人
→必ずナンバリングして話を進める
●「あなたは、どう思う?」が口癖の組織
→日頃から考える習慣がついていると想定される
→会議にはディスカッションする時間を設ける
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「ハーマンモデル」のように、人の思考スタイルを分析するツールもあります。このようなフレームワークや診断ツールを使って、メンバーの思考パターンを把握するのもありです。
とはいえ、そのようなアセスメントを嫌がる人もいますから、まずは口ぐせを観察して、その人の思考パターンを推察してみてはいかがでしょうか?