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生き方

自分に自信がない人は“他者の評価”を気にしすぎている

ジョン・キム(作家)

2024年01月15日 公開

自分に自信がない人は“他者の評価”を気にしすぎている

他人からの評価ばかり気にしてしまう...。枠からはみ出すことに恐怖心がある...。そんな人はどのように悩みを乗り越えて、生きていくべきか? 作家のジョン・キム氏が悩める若者たちに向けて言葉をおくる。

※本稿は、ジョン・キム著『媚びない人生』(PHP文庫)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

他者の目を気にしない。評価を過大評価しない

人生のある瞬間に、私は重大なことに気がついた。自分を信じる力を最も阻害するのは、実は他者の目だ、ということである。他者の目を気にすればするほど、自分を信じる力は減じていく。他人のモノサシで自分を見つめ、自分を責めていくようなことばかりになっていく。

逆に他者からの評価を気にしない度合いが大きくなればなるほど、自分を信じる力が大きくなっていく。

もちろん自分の未熟さを認めることは、とても大切なことだ。しかし、そこに他者の視点を入れると、未熟さは不安となり、恐怖にまでなる。本来は、自分自身の未熟さと向き合わなければいけないはずが、気がつけば他者の目と向き合っている自分に気がつくことになるのである。

これでは、とても自分の強さになど、つなげることはできない。

だからこそ、まずは、他者の目を排除することが重要だ。そうすることによって、自分を信じる力が大きくなる。その上で、自分の未熟さと向き合う。自分を信じながらも、自分の未熟さを知る。それこそが、自分を強くしていく第一歩になると私は考える。

実際、他者の目を気にしないという決意が強ければ強いほど、それが実践できればできるほど、自分を信じる力は増えていく。自分のモノサシしかなくなるからだ。自分を信じるしかなくなるのである。

実際のところ、我々が抱えている不安や悩みの8割はまだ起きてもいないことに対するものであり、その8割は内面的な省察を積み重ねることによって、日々の生活の中で"魂"の浄化に努めることによって、消えていくものである。

それを起きるかもしれないという不安を持ってしまうのは、家族なり、友人なり、先生なり、他者の目を気にしているからなのだ。実は不安のほとんどは、人間関係から生まれているのだ。

 

自分へのアテンションを8割にする

だからこそ私が伝えたいのが、向き合う相手を変えることである。8割の社会や他者、家族などの外に向けている視点やアテンションを、自分に向けるのだ。これまでは2割しか向けていなかった自分への視点やアテンションを、8割にするのである。

その代わり、8割向けていた他者や社会への視点やアテンションを2割にまで落とす。ある瞬間に決意をして、意識して逆転させていく。そうすれば、自分が考えていることは、ほとんどが自分の中の問題として受け止めることができる。他者や外の環境に振り回されない確固たる自分の核を作ることができる。

そもそも他者の評価はそれほど優れたものなのだろうか。バッハやゴッホなどの優れた芸術家たちも、彼らが生きている間にはほとんど評価されなかった。他者の評価とは、その程度のものでしかないのだ。

同様に、たとえ周りから評価してもらっているからといって、自分を過大評価するべきではない。過信をしないことだ。できれば、意識もしないほうがいい。そのくらいの感覚でいてちょうどいいと私は考える。

実際、他者の評価を意識するようになると、他者から評価されるための言動をするようになっていく。短期的にはそれは評価につながるかもしれないが、長期的にそれは相手に合わせた自分を作ってしまうことに他ならない。

それは、自分らしい人生を送りたいと考え、成長させようとしている自分には、実はネガティブなものとなる。評価は自分でこそ、すべきなのだ。

人間は褒められるとうれしい生き物であることは間違いない。評価を気持ちよく受け入れる瞬間があってもいい。しかし、過大に意識しないこと。他者の評価とは、バランスよく付き合うことである。

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