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生き方

「LINEの聞き方がわからない」自己肯定感低い人がぶち当たる壁

横川良明(ライター)

2023年12月27日 公開

 

連絡先が増えるほど、心労も増えてしまう

こんな人間が、リアルの場で知り合いに連絡先を聞けるかというと聞けるわけがない。まだ今から木下大サーカスに入門して空中ブランコをマスターする方がいけそうな気がする。

僕なんかが連絡先を聞いて相手は気持ち悪がらないだろうかという心配が真っ先に浮かんでくるし、相手が年下であれば、これはセクハラ/パワハラになっていないだろうかと、僕のコンプライアンス室がけたたましくアラートを鳴らす。それに実際のところ連絡先を交換したところで、そう頻繁にやりとりをし合うわけでもない。

だけど、交換したという既成事実ができた以上、「た、たまにはなにか送らないと失礼かな......?」と自分が相手をぞんざいに扱っているような罪悪感にとらわれるし、逆に向こうから連絡先を聞いてきたくせに、以降、梨の礫だと「なんでやろ? 気に障るようなことしてもたかな??」と過剰にビクビクする。

連絡先が増えるということは、余計な心労が増えるということなのだ。だったら、連絡先なんて聞かなければいいと決めたら、本当に誰からも聞かれなくなった。僕のLINEの友達の数は35歳あたりでピタッと止まっている。

 

「たまに飲みに行く仕事仲間」との連絡は...

特に仕事相手なんかだとなおさら連絡先を聞いていいのか悩んでしまう。やりとりをしようと思えばメールでできてしまうわけで。

特にLINEを聞く必要はないと言えばないのだけど、なんとなくこのLINEを聞かないというスタンスがプライベートには干渉してこないでくださいという意思表明のようで、実際のところ僕は仕事相手と飲みに行くのは全然アリというか、むしろ大歓迎な人間なので、キャラクターとのミスマッチを引き起こしている。もっと気軽にLINEを交換し合えば、交友関係は広がるのだろうか。

そういえば、2〜3ヵ月に一度、サシ飲みをする仕事仲間がいるのだけど、その人のLINEも僕はいまだに知らない。

もともと仕事のやりとりを通じて仲良くなったので、連絡のツールは今でも仕事上の付き合いのときのままFacebookのメッセンジャーで行っている。特に支障はないからいいのだけど、もう数年にわたって酒を酌み交わしている間柄としては、なんだか他人行儀な気がする。

たぶんLINEを聞いたら普通に教えてくれるだろう。だけど、なんとなくその勇気を出せないまま、その人を飲みに誘うためだけに、すっかり使っていないFacebookにまた久々にログインしようとしている。

 

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