アドラーの「人間関係の悩みに効く言葉」5選...孤立した人生の要因とは?
2024年05月15日 公開
『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健・著/ダイヤモンド社)のブームによって、日本人に広く知られるようになったアドラー心理学。100年前の人物でありながら、彼の言葉は人と社会の本質を照らし、私たちの人生に明確な道筋を示してくれるものです。今回は、アドラーが語った「人間関係の悩み」についての言葉を紹介します。
※本稿は『超訳 アドラーの言葉』(岩井俊憲訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン)を一部抜粋・編集したものです。
自分の関心だけで動いてはいけない
私たちが反対しないといけない人は、「自分自身の関心だけで動く人」だ。こういう人の態度は、個人や集団にとって、最も大きな障害といえる。
どんな分野であれ、人間の能力は、仲間の人間に関心をもつときにこそ発達・発展していくものだ。
『人生の意味の心理学 下』より
他者に興味をもち、関心を寄せよ
充実した人生を送っている人間はいる。そういう人は、他者に興味をもち、関心を寄せること、他者と協力することの大切さを十分にわかって行動している。
仲間とよく話し合い、そのうえで協力し合って行動している。
もし困難なことがあったとしても、解決手段は、社会の利益になるような手段の中から解決しようとするものだ。
『人生の意味の心理学 上』より
敵対心の強い人はつらい人生になる
周囲の人に敵対心をもちがちな人は、不安が大きい傾向があるものだ。しかしながら、そうした態度をとることは、自分の人生をはるかにつらいものにし、社会から孤立してしまうことになる。
その結果、平穏で実りある人生から遠ざかってしまう。恐れや不安は、人生のあらゆる場面に関係あるものだからだ。
『性格の心理学』より
虚栄心は現実を見誤らせる
虚栄心は、ある一定レベルを超えると、非常に危険なものになる。
人間は虚栄心をもつことによって、現実を見誤るようになるのだ。
人間関係を考慮せず、周囲の人間とコミュニケーションをとらずに、自分の思うままに行動するようになる。そして、一人の人間として社会にどう貢献すべきか、ということを忘れてしまう。
虚栄心は、他のマイナス感情とは異なり、人間のあらゆる自由な発達を妨害してしまう。なぜなら、常に「自分にとって有利なことは何か」ばかりを考えるようになるからだ。
『性格の心理学』より
一人で生き、一人で対処するな
私たちのまわりには他者が存在する。そして私たちは他者と結びついて生きている。人間は、個人としては弱く限界があるので、一人では自分の目標を達成することができない。
もしも一人で生き、問題に一人で対処しようとするならば、滅びてしまうだろう。自分にとっての人生すら続けることはできないし、ましてや人類の種の保存は難しいだろう。
『人生の意味の心理学 上』より