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「初めてのコンタクト選び」で注意したい3つのポイント

吉田忠史(株式会社パレンテ代表取締役),河内敏(監修/眼科医)

2024年09月10日 公開 2024年12月16日 更新

「初めてのコンタクト選び」で注意したい3つのポイント

視力が悪い人にとって強い味方のコンタクトレンズ。現代では着用する事で、目の色や黒目の大きさを変えることができるカラーコンタクトまで登場し、使用用途は多岐にわたっています。

そんなコンタクトを使う中で1dayコンタクトを2日間使用したり、コンタクトを付けたまま寝てしまうといった経験がある方も多いのではないでしょうか。私たちが、長年使用してきたなかで間違っている事や、コンタクトを付けてはいけない時についてコンタクトレンズECサイト「レンズアップル」を運営する、株式会社パレンテ代表取締役の吉田忠史氏に話を聞きました。

※本稿は、吉田忠史著『いつも使っているコンタクトレンズのことを、あなたはほとんど知らないかもしれない あなたの大切な目を守る40の方法』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

長年使っている人がよく間違っていることとは?

突然ですが、コンタクトライフを今楽しんでいる皆さんにお聞きしたいことがあります。

今、お使いのコンタクトは、いつから使っていますか?さまざまなコンタクトユーザーに話を聞いていると、「特に困っていないから、最初に勧められたものを何年も使っている」など、度数は都度変えても、同じ商品のコンタクトを使っている人が非常に多いように感じています。

なかには、10年同じコンタクトを使い続けているという、一途な人もいました。

「別に、よく見えているし」
「慣れているもののほうが安心」

確かに不具合がなければ問題ないかもしれませんが、長年同じコンタクトを使い続けることで、もっと快適なコンタクトライフを送るチャンスを自ら逃している可能性があります。

なぜなら、私がこの業界に入り13年。その間だけでも技術開発が進み、コンタクトはかなり品質が高くなっているからです。車にたとえるなら、エアコンもなく、ハンドルを回して窓を開けていたのが、エアコンやパワーウィンドウが標準装備で、iPadなどを車載モニターにできちゃう、というくらいの進歩です。

コンタクトの技術は日進月歩。今まさにこの瞬間にもあなたにぴったりなものが開発されているかもしれません。また、企業努力で、価格をできる限り抑えているブランドもあり、性能は変わらなくても、値段が今よりも安くなるというケースも出てくるかもしれません。

5年以上替えていないという人は、「ハード」「ソフト」「1day」「2week」といった垣根を越えて、ぜひ一度、新しいコンタクトはどんなものがあるのか、インターネットや店頭で調べてみてはいかがでしょうか。

 

初めてのコンタクトは、1カ月分だけ購入

「何かお勧めのコンタクトはありますか?」私がコンタクト業界で働いていると知ると、よく聞かれる質問です。

もちろん、何枚も試着する中で、「これはいいんじゃないのか」と思うものはあるのですが、個人によって合う、合わないがあるので、一概に「これをつけてみてください」とお勧めするのは難しいです。

さらに言えば、ここ10年間はメーカー同士が追いつけ追い越せの状況ですので、同じ価格帯のものであれば、段々とクオリティの差がなくなってきているのも事実です。

そのためお勧めは言いにくいのですが、コンタクト選びに関して、アドバイスしておきたいことがあります。それは、多くの人が陥りやすい3つのワナがあるということです。

1つ目は、最初から大量に買ってしまうこと。初めてコンタクトを購入される際、眼科などでお勧めされたものを、購入される人が非常に多くいらっしゃいます。それが悪いということではなく、そのとき、コンタクトショップの「半年分買えば安くなりますよ」といった言葉に誘惑され、つい多めに買ってしまう人もまた、多くいらっしゃいます。

たとえば、服を買うとき、試着室では「似合っているな」と思っても、家に帰って着てみたら「なんか違うかも」ということ、ありませんか?コンタクトも同じで、店舗で一瞬つけただけでは、本当に目に合っているかはわからないものです。

最低でも朝晩通して1週間は装着してみて判断するのがお勧めです。試着で「いいかも」と思っていても、「やっぱりなんか合わないし、夕方になると目が疲れる」ということもあります。そうなったときに後悔をしないように、最初は大量買いはせずに、まずは1カ月分から買うといいでしょう。ちなみに、コンタクトの合う合わないの基準は、おおよそ次のようなものになります。

・生活をしていて見えづらくて困るときがある
・目がゴロゴロする
・よくはずれる
・よく目が充血している

もし、いずれかの症状が続くのであれば、商品のチェンジを検討されてみてはいかがでしょう。

 

度数の違和感、ライフスタイルは無視しないで

2つ目は、眼科やお店で試着したときの見え方の違和感をそのままにすること。
検査をしてコンタクトを試した際に、違和感を覚えたとしても、勧められた度数のものを言われるがままに購入してしまうというケースも、よく見られます。「あとでなじむだろう」と思っても、そのときの見え方の違和感はしっかり見極めることが大切です。

眼科やお店が混んでいるときなど、プレッシャーを感じたり、専門家がお勧めするものだからと考えたりして、違和感を覚えたとしても、「これでいいです」と言ってしまいがちですが、ここは、少し待ってください。

視覚というとても重要な感覚に関わることですので、じっくりと選んだほうがいいですし、どう見えているのかを一番よく理解しているのはあなたです。

近視を矯正するためにコンタクトを買ったのに「逆に見えすぎて目が疲れる」「遠くまではっきり見えなくてもいい」など、人によって「見え方の好み」もあると思います。単純に視力検査の結果だけで選んでしまうと、遠くまでよく見えても手元が見えにくかったり、見えすぎて目が疲れ、頭痛がするなどの不調が現れたりすることがあります。コンタクトを試着するときは、手元と遠くをしっかり見ながら、自分の見え方の好みを担当の方にしっかりと伝えましょう。

そして、3つ目はライフスタイルを考えずに選んでしまうこと。たとえば、基本的に、2weekタイプより、1day タイプのほうがコストがかかりますが、普段はメガネでスポーツをするときだけコンタクトを使いたい人が2weekタイプを買った場合、使う頻度によっては無駄になってしまいます。

朝から晩までずっとコンタクトをつけていたい人、スポーツをするときにしかつけない人、夕方に運転しなければならない人......その人のライフスタイルによって、コンタクトの使用頻度も目的も変わってきます。コンタクトを購入するときは、自分がどういったライフスタイルでどういう目的で使うのかを確認しておくことが大切です。

 

こんな時はつけちゃダメ!自分の目の状態を知ろう

起きて顔を洗ってから、コンタクトを取り出してつける。コンタクトライフが長く、装着に慣れている方は、ここまでの作業をほとんど無意識に、パパッとできるのではないでしょうか。ですが、この無意識に「パパッと」つける習慣、ちょっと待った。あなたの目を守り、快適なコンタクトライフを送るために、あることをしてほしいのです。

それが、「装着前の目の20秒チェック」です。ここで、あなたの今日の目の状態がわかります。目の状態が悪いときにつけることは、大切な目を傷める危険性を高めてしまいます。不便かもしれませんが、これからも続く長いコンタクトライフを快適に過ごすため、「一生見える人生」を守るためと考えれば、ここは、ぐっと我慢するのがよいでしょう。
次のチェックリストでいずれか1つでも気になるところがある場合は、できればその日はコンタクトの使用は控えましょう。

《装着前の目の20秒チェック》
・乾燥していないか(10秒間、まばたきせずに目が開けられるか)
・目ヤニが出すぎていないか
・かゆみはないか
・充血していないか
・コンタクトをつけたときにゴロゴロしていないか

続いて、チェックがついたことで、目が今、どんな状態なのか、どういう危険性があるのか、それぞれの項目をご説明します。

・乾燥していないか

ドライアイは加齢や長時間のスマホやパソコン利用、コンタクトの装着でなることが多いとされています。この状態でコンタクトを使うとドライアイが進行しかねません。角膜が乾燥することによって、表面に傷がつき「角かく膜まく上じょう皮ひ 障しょう害がい」という状態になり、視力低下などを引き起こすことがあるので要注意です。 簡易的なチェック方法ですが、10秒間まばたきをせずにいられるかどうかが、1つの目安になります。

・目ヤニが出すぎていないか/かゆみはないか

目ヤニは少量であれば目の代謝活動がしっかり行われている証拠ですが、普段より目ヤニが多かったり、かゆみが多かったり目がかすんだりすると危険信号。「巨大乳頭結膜炎」という、レンズの汚れが原因で上まぶたの内側にブツブツができるアレルギー性の眼障害に発展することがあります。

・充血していないか

充血は、目の疲労の蓄積や炎症を起こしているなど、目の状態が悪いサイン。その日は、コンタクトの着用をやめ、充血がなかなかひかないようでしたら、眼科に行ってください。

・コンタクトをつけたときにゴロゴロしていないか

コンタクトをつけたときにゴロゴロしたり、違和感があったりする場合もつけるのはやめましょう。角膜に傷がついていたり、「アレルギー性結膜炎」になっていたりする可能性があります。これは、花粉やほこり、ダニなどが原因でまぶたの裏側や白目の部分がアレルギーにより炎症を起こした状態です。コンタクトのケア用品でなる場合もあります。

日によって気温や湿度は違いますし、季節によっても春と秋は花粉の影響を受けやすい、夏は菌が繁殖しやすい、冬は乾燥しやすい......と、私たちの目は毎日違った環境にさらされています。

基礎化粧品や化粧品を季節やその日の肌のコンディションで使い分ける方もいると思います。肌が荒れているならメイクをお休みする人もいるでしょう。それと同じで、その日の目のコンディションを知っておくことで、自分の目を大切にしながら、健康的なコンタクトライフが送れるのです。

著者紹介

吉田忠史(よしだ・ただし)

株式会社パレンテ代表取締役

1976年生まれ。愛知県出身。2011年に株式会社パレンテ 代表取締役就任。
コンタクトレンズE Cサイト「レンズアップル」の運営、国内に3つのロジを開設することで、安心安全スピード配送を実現。2024年1月には延べ注文件数4,000万件に達するなど、多くの人たちにコンタクトレンズをお届けしてきた。快適なコンタクトライフを送ってもらいたいという想いから、日本一コンタクトを愛し 日本一コンタクトを売りたい男として、YouTube「コンタクト社長よしだちゃんねる」を配信している。

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