不安な気持ちを抑えるには? 「心を落ち着ける」1つの方法
2025年03月28日 公開
イライラしたり、不安が消えなかったり...感情をうまく制御できずに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。行動科学専門家の永谷研一さんは、感情のコントロールには「自分の感情を観察する習慣」が有効だと語ります。本稿では、書籍『1日5分 書けば明日が変わる できたことノート』より、マイナスの感情との向き合い方についてご紹介します。
※本稿は、永谷研一著『1日5分 書けば明日が変わる できたことノート』(クロスメディア・パブリッシング)を一部抜粋・編集したものです。
毎日の気持ちのマークで感情を観察するクセをつける
みなさんは、自分の感情をうまくコントロールできていますか?
人間は誰でも、気持ちや感情の変化があります。仕事がうまくいって「うれしい」という感情が生まれたり、友達とケンカしてしまって「悲しい」という感情が生まれたりします。
ただ、人間ですから、感情をうまくコントロールできずに、いわゆる「感情的」になって突発的な行動をしてしまったり、ムダに落ち込んで自暴自棄になってしまったりすることだってあります。感情は自分自身の大切なもの。でも同時にやっかいものでもあるのです。
このように過度なアップダウンがなく、いつも冷静に感情の変化をコントロールできるようになることはとても重要なこと。そのためにはまず、「日々、自分の感情を観察する習慣」が有効です。
その方法は、実はとても簡単。それは毎日、ノートや手帳などに、「その日の中の一番強い自分の感情」として、自分がどんな気持ちだったかを書くだけです。気持ちを書くといっても、難しい文章を書くのではありません。自分の感情を、絵文字や言葉のマークで書き込むだけです。
そのときの感情をマークで表してみましょう。顔文字でもいいですし「喜!」「やった!」「残念!」「苦」といった文字マークでもかまいません。書くよりも「描く」ですね。

このように、「感情マーク」を書き入れることで、自分の感情を客観的に見るクセがついていきます。まるで自分の心の中にもう一人の自分がいて、冷静に観察しているようです。
そうすると、次第に冷静に自分のことを見られるようになり、たとえつらい状況にあったとしても、「自分は今日はがんばりすぎかも」「私っていま、けっこう大変なときだな」と落ち着いて自分の気持ちを分析できるようになります。凹んだ自分に気づくことで、自分に対してやさしい気持ちが芽生えるのです。
感情を表すのが難しければ、いくつかの選択肢の中から選ぶ方法でもかまいません。
人には、うれしい、わくわくするといったプラスの感情と、不安だ、イライラするといったマイナスの感情がありますが、以下では8つの基本感情を説明します。
①喜び(joy)「すばらしい」「うれしい」「ほっとした」など
②信頼(trust)「誇らしい」「よくやった」「さすがだ」など
③期待( anticipation)「 面白そう」「わくわくする」「興味が出た」など
④驚き(surprise)「驚いた」「びっくりした」「予想外だ」など
⑤恐れ(fear)「心配だ」「不安だ」「こわい」など
⑥悲しみ(sadness)「悲しい」「寂しい」「泣きそうだ」など
⑦怒り(anger)「イライラする」「腹が立った」「ひどい」など
⑧嫌悪(disgust)「嫌だ」「こりごりだ」「うんざりだ」など
※アメリカの心理学者のロバート・プルチック氏は1980 年、8つの基本感情と、2つの感情の組み合わせである応用感情から成り立つ「感情の輪」を提唱しました。8つの基本感情として、喜び、信頼、期待、驚き、恐れ、悲しみ、怒り、嫌悪があるとしています。
マイナスの感情がダメで、プラスの感情さえあればいいかというと、決してそうではありません。プラスの感情によって満足してしまい、「現状維持バイアス」で行動を変えることができなくなることだってあります。プラス・マイナスどちらも、大切な私たちの感情なのです。
自分の「認知のクセ」を把握する
何かが起きたとき、感情が湧き上がるのが人間ですが、感情の元になっているのが「認知のクセ」です。
認知とは、できごとに対する、自分の考え方や捉え方のことです。たとえば、「人から『ありがとう、助かるよ』と言われるととてもうれしくなり、その人はいい人だなと考える」とすると、この「うれしい」が感情で、「ありがとうと言われると、相手をいい人と考える」が認知です。
また、「友達に無視されると悲しくなり、私は嫌われていると考える」とすると、この「悲しい」が感情で、「無視されると、私は嫌われていると考える」が認知です。
人は過去の経験や性格に違いがあるので、正解・不正解はありません。すべてが正しくありのままの自分自身なのです。
先ほど説明した、毎日、感情マークを描くという行為は、自分の認知パターンを知ることにつながります。いつも繰り返していると、「自分はどんなことが起きるとどんな捉え方をして、ポジティブな感情(うれしい・楽しい・よかった、など)になったり、ネガティブな感情(不安だ・悲しい・腹がたつ、など)になったりしているのか」というパターンがわかってきます。
このように、自分の認知のパターンを知ることで、短絡的な考えや行動にならずに、自分をコントロールすることができます。すると一時的な感情に振り回されず、豊かな気持ちで生きることができるようになるのです。
自己肯定感が下がったときの3つの特徴
どうしても欠けた部分に先に目がいってしまう人間の特性や、小さいころから誰かと比較されてきたことなど、「自己肯定感が下がってしまう」という状況自体は誰にでも起こりうることです。
つまり、アップダウンは誰にでもあること。また、言い方を変えれば、自己肯定感が下がるということ自体は、ある意味、心がある人間らしいことでもあり、否定するようなものでもありません。
問題なのは、自己肯定感が下がったことに気づかず、自暴自棄になったり短絡的になったりしてしまうこと。そこで、自己肯定感が下がったときの特徴を掴んでおけば、たとえそんな状況になったとしても落ち着くことができるはずです。
あなたがいま、次の3つに当てはまったら、「自己肯定感が下がっている」サインです。
①ほめ言葉や感謝の言葉を素直に受け止められない
「すごいね」「ありがとう」と言われても素直に受け止められず、何か裏があるのではないか、頼みごとをされるのではないかと勘ぐったりしてしまう。
②忠告されたときに「怒り」が湧き上がる
せっかく相手がアドバイスしてくれているのに、非難・否定されたように受け取って、反発する気持ちになってしまう。
③失敗すると言い訳ばかり繰り返す
失敗を認めることができず、言い訳を続けてしまう。前述したようなさまざまな言い訳を繰り返してしまう。
どうでしょうか。私たちは心ある人間ですから、思い当たる部分があってもおかしくはありません。実際、こうしたことは誰にでもあることです。
私は、自己肯定感が高ければよく、低ければダメとはまったく考えてはいません。先ほどもお話ししたように、むしろ誰でも自己肯定感が下がることはありえます。大事なのは、その状態に気づけるかどうかだけ。そのためにも、自分の心の変化を観察する習慣が有効なのです。
もし自己肯定感が下がっていることを発見できたら、「あっ、しなくてもいい言い方をしちゃったな。いま自分は自己肯定感が下がっているかもな。うん。でもしょうがない。むしろ人間らしくてかわいい。まあ、今日は早く寝て、明日またできることから取り組めばいいや」という感覚でいきましょう。
このように、ありのままの自分を認めることが大切なのです。







