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トップCA・里岡美津奈が出会った「一流の人」の生き方考え方

里岡美津奈

2014年01月16日 公開 2023年01月16日 更新

里岡美津奈

誰かに喜んでいただくということを大切にする

 新幹線の車内清掃をする人々が「お掃除の大使たち」と呼ばれて話題になりました。

 チームを組んで、わずか7分間で車内清掃をてきぱきとパーフェクトにこなしてしまう人々です。新幹線がホームに入ってくると丁寧なお辞儀で出迎え、清掃が済むと乗車待ちのお客さまに「お待たせいたしました」と声をかけて去っていく。日本ならではの素晴らしいサービスに、海外からも視察団が来るほどです。

 この方々は、車内清掃という自分の仕事に誇りを持ち、やりがいを持っていると思います。

 誰かに喜んでほしいという気持ちがあると、どんな仕事にも誇りが持てます。誇りと自信を持ち、やりがいを感じて社会に貢献できるということは、おもてなしの国、日本において大切な一流の条件ではないでしょうか。

 グローバル化が叫ばれて久しいですが、日本人は自分たちのことを卑下しすぎる、もっと自信を持つべきだ、ということがよくいわれます。必要以上に卑下するのはどうかと私も思いますが、日本の「謙譲」という伝統は、おもてなしの精神と深いところで結びついていると私は考えています。それは、よその国では真似したくてもできない文化なのです。

 誰かに喜んでいただきたいという気持ちをもっと大事にしましょう。

 そうすると、いまやっていることに対して、もっと前向きになれます。

 お金がたくさん手に入ったとか、地位や名誉を手に入れたとか、そんなことは一過性のものです。それよりは、つねに自分には好奇心がある。何かやりたいことがある、チャレンジしたいことがある。毎日がワクワク楽しいというのが、本当の成功者だと思います。

 成功というと、何かを達成することのようなイメージがありますが、いまを生ききること以上に達成感の感じられることはありません。今日の自分が昨日の自分を超える。そうやって人は成長していくのです。

 一流の方はいまの仕事を楽しんでいます。自分に与えられたことに対して真摯にかつ楽しみながら取り組んでいます。あまり浮気心はないようです。他の人の畑をうらやましがったりしない。

 自分がいまいる場所がいちばんいいんだと思って、楽しんで生きているのです。

 私は、一流とは「本物」と言い換えられるのではないかと思っています。

 

<書籍紹介>

伝説のトップCAが明かす
一流になれる人、なれない人の見分け方

里岡美津奈 著

一流の人は、お坊さんの本を読んでいる……。「さすが一流は違う!」と思わせる気配り、身だしなみ、行動習慣等をこっそり教えます。

 

<著者紹介>

里岡美津奈

(さとおか・みつな)

パーソナルクオリティーコンサルタント

24年間ANA国内線、国際線のチーフパーサーとして、またその内の15年間は天皇皇后両陛下、英国元首相マーガレット・サッチャーを始めとする各国の国家元首のVIP特別機の担当として活躍。24年間のCA乗務、また現在の仕事においても一貫してこだわっていることは、「高いクオリティー」。常に客観性をもち、心身の管理を含めて質の高い接遇を行うよう心がけている。その中でも特に強みとなっているのは、「さりげない気配りと素早い対応」、そして、人種、年齢など多様性の中での円滑なコミュニケーションである。

2010年のANA退職後は、それまでの経験を生かし、企業や病院で人財育成のコンサルタントとして「コミュニケーションの素晴らしい世界」を提案。また個人のクライアント向けに“パーソナルクオリティーコンサルタント”として個人の持つ能力、魅力を様々な分野において遺憾無く発揮できる人財育成を行っている。そして、日本の素晴らしさを世界の人々に知ってもらう目的から、米国法人旅行コンサルタント会社“Japan Quest Journeys”の取締役としても括躍。2013年8月からは「美津奈塾」も開催する。

主な著書こ、『スーパーCAの仕事術』(メディアファクトリー、現役CAで初の実名著書)『また会いたい!』と言われる女の気くばりのルール』 『誰からも好かれる女の 人と運を引き寄せる習慣』(以上、明日香出版社)など、多数ある。

 

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