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やせたい人は、1日3杯のコーヒーを飲みなさい~健康新常識

安中千絵(管理栄養士/食・健康コンサルタント)

2014年06月27日 公開 2023年01月18日 更新

安中千絵

コーヒーと運動で燃焼効果はさらに高まる

コーヒーに含まれるカフェインには、脂肪分解や脂肪燃焼を助けるはたらきがあり、代謝率を高める効果があることをお話ししてきましたが、運動と組み合わせることで脂肪燃焼効果はさらに高まります。

コーヒーを飲んだ後、30分~1時間ほどで、体脂肪の分解がすすみ、血中に遊離脂肪酸というかたちで放出されます。

このとき、この遊離脂肪酸をエネルギーとして消費してしまえば体脂肪が燃焼できます。

カフェインを摂取すると、糖代謝より脂肪代謝が高まるのですが、カフェインと運動が組み合わさることで、更に脂肪燃焼率は高まります。

運動前にコーヒー2~3杯程度のカフェインを摂取して運動した人の方が、カフェインを摂取せずに運動した人より、30~50%ほど脂肪を多く消費したという報告もあります。また、運動の後カフェインの影響によるエネルギー消費効果は、5時間ほど持続するという報告もあります。

カフェインには脂肪燃焼やエネルギー消費を向上させる他、スポーツパフォーマンスや、筋肉の収縮力を高めるなど、さまざまな効果があります。その効果から、カフェインは、かつてはドーピング禁止薬物とされていたほどです。

ここではダイエットに関係がありそうなカフェインのはたらきを少しご紹介したいと思います。

それは、「運動の持続を助ける」という効果です。

ある研究では、筋肉運動を行う1時間前に、カフェインが約180mg(コーヒーに換算すると約1杯半)入った飲みものをとった人の方が、そうでない人よりも運動中の疲労感が少なく、長時間運動を続けられたという報告があります。これはカフェインに、集中力を高める効果があることなどが理由ではないかと考えられています。

運動時間が長くなれば、当然それだけエネルギーも消費できるので、コーヒーにダイエット効果を期待する人にとっては、これも嬉しいはたらきのひとつでしょう。

またカフェインには筋肉痛の軽減についても効果があります。

運動1時間前に体重1kgあたり5mgのカフェイン(体重60㎏の人の場合、コーヒーだと3杯程度)を摂取すると、運動後の筋肉痛が緩和されるという報告があります。

筋肉痛の軽減は、ダイエットには直接関係ありませんが、筋肉痛が負担になって運動が続けられなくなってしまうのを防ぐことが期待できそうです。

コーヒーを飲んで脂肪燃焼するには、持続的な運動より、間に休みを入れながら行う間欠的な運動の方が。効果が高まります。

コーヒーを飲んでから30分自転車漕ぎをした群と、10分漕いで、10分休みを3セット繰り返した群では、休みながら漕いだ群の方が、脂肪燃焼率が高いという実験結果があります。

ダイエット目的で、コーヒー+運動を行うのであれば、運動を始める1時間前にコーヒー2~3杯を飲んで、少し強めの負荷がかかる運動(ジョギングや自転車漕ぎなど)を、間に休みをはさみながら行うのがより効果的でしょう。

ジョギングなどを日常生活に取り入れるのはハードルが高いという人は、30分程度のウォーキングや家事でもかまいません。30分のウォーキングは約100kcalのエネルギーを消費します。これにコーヒー効果で代謝率の上昇も加わるので、コーヒーを飲んでから30分歩く習慣をつけるだけでも、2カ月で1kg強のペースでの減量が期待できます。

コーヒーを飲んだ後は、立っているだけでもエネルギー消費量が高まるので、とにかく少しでもからだを動かすことを心がけましょう。

運動に関しての効果はカフェインが主体ですが、コーヒーの良さはカフェインと強い抗酸化作用を持つクロロゲン酸などのポリフェノールの両方を含むことです。

運動によって生じる酸化ストレスを抑えるはたらきのある抗酸化物質を多く含むところが、コーヒーと、単にカフェインを添加した飲料やサプリメントとの大きな違いです。

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コーヒーを飲んだ1時間後は脂肪燃焼のゴールデンタイム

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