「プライドが高くて迷惑な人」への対処法とは
2014年10月16日 公開 2024年12月16日 更新
《PHP新書『プライドが高くて迷惑な人』より》
本書『プライドが高くて迷惑な人』第5章では、プライドが高くて迷惑な人がしばしば示す言動を7つ取り上げて、そういう言動をする理由、もたらす実害、対処の仕方などについて具体的に述べています。
・平気で他人の話に割り込む人
・本題から平気ではずれる人
・批判ばかりする人
・口うるさい人
・自分のやり方や考え方を変えない人
・しょっちゅう遅れる人
・他人の意見や助言を聞かない人
まわりにそのような人のいる方、すでに被害を受けているという方は、ぜひ参考にしてください。ここでは、その一部をご紹介します。
口うるさい人への対処法
口うるさく注意するのも、「プライドが高くて迷惑な人」にありがちである。
ときには、いちゃもんをつけているようにしか見えないこともある。表面上は、「きちんとしなければならない」「正確にしなければならない」などと完璧主義を持ち出して、いい加減なことが許せないからこそ口うるさく言うのだというふうに装っているが、実は他人のあら探しをすることによって、自分のほうが優位に立ちたいのである。
自分の優位性を誇示したいだけでなく、他人を操作して支配しないと気がすまない操作支配型の場合は、あなたがどれだけ努力しても満足しない。どれだけ頑張っても、ダメ出しをして、やり直させる。100点満点をめざして研鑽を積むように要求する。
こういうタイプは非常に厄介である。まず、仕事の負担が増える。また、向こうが要求する完璧なレベルに到達するのは困難なことが多いので、こちらの欲求不満が募る。しかも、あなたが仕事をぞんざいにしているかのような印象を周囲に与える場合だってある。何よりも困るのは、時間がかかって仕方ないことである。
もちろん、仕事はできるだけきちんとしなければならないし、技術を磨くうえで完璧主義が必要な場合もあるので、向こうの要求に耳を傾けることは必要だ。だが、100点満点をめざすあまり細部にこだわる要求に全力で応えようとすると、ただ時間とエネルギーを費やしてくたくたに疲れ果てるだけのことが少なくない。
場合によっては、要求がころころ変わることもあり、それまでの努力が水の泡になってしまうことだってある。なので、向こうの要求にまともに応えようとしないほうがいいだろう。
かといって、何の配慮もせずに無視していたら、はめられてしまうかもしれない。何しろ、他人のあら探しをする達人なので、ここがきちんとしていないとか、この数字が正確ではないというふうに不備な点を見つけ出して、あなたを攻撃するようなことになりかねないので、要注意である。
いったい、どんなふうに対応すればいいのだろうか。
まず、向こうが要求する通りにやろうとすれば、時間がものすごくかかることを伝えるべきである。「あなたのおっしゃる通りに進めると、締め切りに間に合わなくなったり、他の業務ができなくなったりするかもしれませんが、それでもやらなければなりませんか?」と尋ねてみるのも手である。
もっとも、こういうタイプは、それでもやれと命令することが多く、そのせいで長時間の残業を強いられている方もいらっしゃるだろう。しかも、命令する側が、重要なことだと思ってこだわっていることが、客観的に見ればたいしたことではないような場合もある。ときには、どうでもいいことだってある。
完璧主義ゆえのこだわりは、創造的な仕事に携わる作家や芸術家などの場合は、素晴らしい作品を生み出すために必要なのだろうが、職場や家庭に完璧主義を振りかざして口うるさく注意する人がいると、周囲は辟易して疲れ果ててしまう。その結果、自信をなくしたり落ち込んだりして、心療内科や精神科を受診した患者さんをたくさん診てきたので、こういうタイプにいろいろ言われても、真に受けないで聞き流す「スルースキル(鈍感力)」を養うことが必要だと、つくづく思うのである。