ホーム » スキルアップ » 怒っている人、厄介な人の上手な取り扱い方

怒っている人、厄介な人の上手な取り扱い方

2015年02月26日 公開

藤井雅子(心理カウンセラー)

《『「なぜか怒っている人」の取扱説明書』より》

なぜか怒っている人の取扱説明書/ストレスをまき散らす厄介な人への対処法

 

感情はその人にしかコントロ-ルできないもの

 人が怒っているのには事情があります。

 イライラしている人は、「○○するべきだ」という「べき思考」が多かったり、実は甘え下手で、普段から我慢をしすぎていたり、本当は不安やさびしさでいっぱいだったりします。

 あるいは、単に体調が悪くて虫の居所が悪いだけの場合もあります。

 それはその人の事情なのですが、怒りのパワーは強烈なため、怒っている人が近くにいると、こちらもイライラしたり、憂鬱な気分になったり、どうしても影響を受けてしまいがちです。

 なかには、「自分のせいではないか」と自分を責めて萎縮してしまい、他人の怒りを感じるだけでドキドキして具合が悪くなってしまう人さえいます。

 しかし、感情というのはその人個人の受けとめ方によって生じるものであり、怒りに限らず、感情はその人にしかコントロ-ルできないものです。

 それを「自分のせいではないか」と、責任を感じてしまうというのは、自分と他人との境界を区別できていないということ。もっと言えば、本人にしかコントロールできないものを、無理にコントロールしようとしていることになります。

 怒っている人の事情は、本当のところは本人に聞いてみないとわかりません。

 それを、「この人はこういうことを望んでいたのに、自分がやらなかったから怒っているんだ」とか、「自分にこういうところが足りないから怒らせてしまうんだ」などと推測してみても、かえって事態を複雑にすることのほうが多いもの。「そういうことじゃない! どうしてわからないの?」とさらに相手を怒らせてしまう、という負のスパイラルに陥りやすいのです。

 とはいえ、心優しい人ほど、相手がどう思っているのだろう、とつい想像してしまうでしょう。

 そこで、「たとえばこんな事情が考えられますよ」という目安として、本書では、怒っている人の事情を心理カウンセラーの立場からいろいろ挙げてみました。

 心理学の知識やカウンセリングの経験から、よくありかちなケースにおいて、私なりに可能性が高いと思われる事情を考えたつもりです。しかし、あくまでも想像なので、同じようなケースでまったく違う事情もあると思います。

 それくらい、怒っている人の事情にはいろいろあって、他人には計り知れないということです。

 唯一共通しているのは、怒っている人は「困っている人」だということ。

 困っている事情は人それぞれですが、なにかしら困っていて、気の毒なことにその問題に対処するスキルを持っておらず、怒りで表現するしかなくなっているということです。

 だから、今後は、もし誰かが怒っていたら、「なにかに困っているんだなあ」と思うようにしてみてください。どうしても気になるようなら、「なにか私に助けてあげられることはないだろうか」という視点で接してみるといいと思います。

 つまり、誰かが怒っていても自動的に「自分が悪いのでは」と思わなくていいということ。

 そして、怒りの裏事情にはさまざまなパターンがあるのだと、ぜひ本書を読んで知ってほしいと思います。今後、人の怒りに遭遇したときに、「この人、自信がないのかな」「もしかして、パニックになってる?」と分析しながら、上手に対処していただけるとうれしいです。

 反対に、イライラしやすい人は、自分の怒りの元について、なにか当てはまることはないか、なければないでどんな事情があるのか、自分について考えるきっかけにしていただけたらと思います。

 考える力というのは、このように自他への理解を深め、自分をラクにするために使うもの。そうすれば、バーチャルの世界に現実逃避して自分を守らなくても、リアルの世界を楽しめるようになり、人生がより豊かに、いきいきと感じられるはずです。

 どんな感情を持つのもその人の自由です。怒っているのもその人の自由、その人の問題です。他人が干渉することでも、責任を持てるものでもありません。

 「私は私。あなたはあなた」―自分と他人の境界をしっかり区別できるようになれば、他人の感情に振り回されることも、自分の問題を他人に責任転嫁してイラ立つことも激減します。

 本書がそのきっかけになることを願ってやみません。

 

 では、その一例を見てみましょう。

次のページ
自分の指導不足を棚に上げて、部下のせいにする上司 >



著者紹介

藤井雅子(ふじい・まさこ)

心理カウンセラー

慶應義塾大学文学部人間関係学科卒業後、大手総合商社人事部、日本語教師、弁護士秘書を経て、2004年より現職。2006年、女性のためのカウンセリングルームオープン。
企業やクリニックでの臨床、EAP(従業員支援)コンサルティング、休職者支援、企業研修、セミナー、講演、執筆などメンタルヘルス全般で活動中。主なテーマは、自分らしく生きること、感情のコントロール、コミュニケーション、アダルトチルドレン。
著書に『オヤジの取説』(共著、ゴマブックス)、『人はなぜ怒るのか』(幻冬舎新書)。

関連記事

編集部のおすすめ

弁護士が伝授する「やっかいな人」との対話術

谷原 誠 (弁護士/みらい総合法律事務所代表パートナー)

岩田松雄・上司との人間関係はゲー厶と考えよう

岩田松雄(元スターバックスコーヒージャパンCEO)

相手の気持ちをきちんと<聞く>技術 -気をつけたい6つの態度

平木典子(カウンセラー、統合的心理療法研究所所長)

打たれ強い「レジリエンス・リーダー」が求められる3つの理由

久世浩司(ポジティブサイコロジースクール代表)

【ウザい話し方】話していて「疲れる人」「面倒くさい人」の口ぐせとは 

五百田達成(心理カウンセラー、作家)

『龍使いになれる本』10万部超の著者大杉日香理と歴史NO.1雑誌『歴史街道』 編集長と行く! 香取神宮 日帰りバスツアー

WEB特別企画<PR>

WEB連載

アクセスランキング

WEB特別企画<PR>

WEB連載

『龍使いになれる本』10万部超の著者大杉日香理と歴史NO.1雑誌『歴史街道』 編集長と行く! 香取神宮 日帰りバスツアー
  • Facebookでシェアする
  • Twitterでシェアする

ホーム » スキルアップ » 怒っている人、厄介な人の上手な取り扱い方

×