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「唾液」を増やせば健康になる!

2015年06月16日 公開

森昭(竹谷町歯科クリニック院長)

《『体の不調は「唾液」を増やして解消する』より》

 

唾液の6つの役割

 唾液には大きく6つの役割があります。

(1)おいしさを感じる作用(溶解作用)

 唾液には、食べ物の中の味物質を溶かして、おいしさを引き出す作用があります。余談ですが、私の住む町はとても魚介類のおいしい町です。コリコリしたアワビなど絶品なのですが、最近の子どもたちには、アワビはあまり好評ではありません。硬くて味も感じないそうです。しっかり噛んで、唾液と混ぜ合わされることによりうま味が出てくるのですが……。実にもったいない話です。

(2)洗浄作用

 唾液の水分で、食べかすや細菌を洗い流します。昔の食べ物は、繊維質も多く、自然そのままのものが多かったので、別に歯磨きをしなくても、唾液だけで口の中は清潔に保たれました。しかし、現在は軟らか食が多く、唾液だけでは洗浄されないので、歯磨きがとても大切になります。包丁でリンゴを切った後は水洗いだけでもけっこうきれいになりますが、軟らかいケーキを切った後では、水洗いだけではなかなかきれいになりませんよね。それと同じです。

(3)傷を早く治す作用(抗菌作用)

 ネズミには気の毒ですが、ある実験があります。ネズミの背中に1cm四方の傷をつけ、1匹で飼った場合と、数匹いっしょに飼った場合の傷の治り具合を比べました。2日後、傷口を調べました。1匹で飼ったほうは20%しか治っていないのに対して、数匹で飼ったほうは75%も治っていたのです。つまり、数匹で飼っていたほうはお互いの背中をなめ合ったことで傷の治りが、1匹で飼っていたネズミと比べてよかったのです。昔から、小さな傷ならツバをつけておけば治るといわれているのも、理にかなっているのです。

(4)中和作用(緩衝作用)

 歯は、石のようにかたまっている物質のように思われていますが、実は飲食するたびに、カルシウムやリン酸が溶けだしています。つまり、歯の表面が少し溶けているのです。歯はpH5.5以下で溶け始めます。約20分間続くと、もとの中性(pH7.0)に戻るには1時間かかります。ビックリしませんか? その溶け具合が大きいとむし歯になります。しかし、その溶けた部分は、唾液の力でもとに戻ることができるのです。唾液中のカルシウムやリン酸が、歯を修復してくれるからです。

*唾液中和力実験* 5ccの水と唾液にそれぞれ0.2ccの塩酸を入れると、水はpH2.3に下がりますが、唾液はpH6.0までしか低下しません。pH2.3の水を薄めてpH6.0にするためには、なんと5ℓ以上の水が必要です。唾液は、水よりも約1000倍~10万倍も中性に戻す力が強いことがわかります。

 

(5)歯やほっぺたを守る作用(保護作用)

 唾液は、歯の表面に被膜をつくり、むし歯の原因菌であるミュータンス菌が入らないようにしてくれています。人の前歯の平均寿命は、上が62年。下が66年と4年も差があります。上の前歯よりも下の前歯のほうが4年も寿命が長いのは、下の前歯の内側には、大きな唾液腺があって常に唾液に触れているからなのです。またほっぺたや舌も唾液によって、感染や損傷から守られています。

(6)囗の中を湿らせる作用(円滑作用)

 婚式のスピーチのように緊張する場面で、声が裏返ってしまう方がいらっしゃいます。それは、緊張によって唾液分泌が少なくなり、口の中が乾いて滑舌が悪くるからです。また、緊張する場面では、食べ物が喉を通らなくなります。これ、唾液分泌が少なくなり、喉が乾燥して、食べ物を胃に運べなくなるからです。液は、滑舌よくしゃべったり、食べ物を飲み込むときにも活躍しています。

 

唾液は十分出ていますか

 本書の目的は、あなたに「唾液のすごさ」と「唾液の出し方」を知っていただくことです。

 そして、あなたがより健康になり、命尽きるまで人生を楽しんでいただくことです。

 では、簡単なテストをします。以下の中で、当てはまる項目にチェックしてください。

◇歯肉が腫れている、または歯肉から出血することがある
◇歯肉や舌がかゆいことがある
◇口内炎がよくできる
◇滑舌が悪い
◇水分を奪われる食べ物(パンやクッキー、焼き芋など)が飲み込みにくい
◇唇が渇く、または唇から出血する
◇口の中が乾燥していると感じる
◇急にむし歯になるようになった
◇ほっぺたをよく喘む
◇舌に痛みを感じることがある

 いかがでしたか?

 これは、あなたのお口の中の唾液が減少していないかのテストです。チェックが1つでもついた方は、ぜひ、本書を読み進めてください。

 

唾液の量は増やすことができる

本書、第3章では、「唾液が増える生活習慣」を約80ページにわたって詳しくご紹介しています。
ここでは具体的に唾液が出てくる即効エクササイズをお伝えしましょう。

 

舌体操1

 舌は骨とつながっていない唯一の筋肉の塊です。舌を前に突き出すことにより、顎と首の筋肉を刺激します。

(1)口を閉じて舌を歯茎と唇の間に置き、歯茎に沿ってグルグルと回します。まず、舌先を右上の一番奥の歯茎と頬の間に置きます。歯の外側をなぞるように、右上奥から順番に左上奥へと舌を移動させます。左下奥から右下奥に舌を移動させて舌を回します。これを10回行います。

(2)反対回しを行います。こちらも10回行います。

ポイント
・1周を3秒ほどでしっかり大きく円を描くように回しましょう。
・慣れていけば回数を10回から20回に増やしてみましょう。
・1日3回、食前にしましょう。

 

舌体操2

(1)真正面を向き、舌を思いっきり前に突き出しまっすぐ伸ばして10秒間そのままで。

(2)上を向いて舌を上に向けて、鼻先につけるように10秒。

(3)真正面を向いて、舌を下に向けて思いつきり伸ばし切るように10秒。

(4)真正面を向いて、舌を右に思いつきり伸ばして耳たぶにつくように10秒。

(5)真正面を向いて、舌を左に思いつきり伸ばして耳たぶにつくように10秒。

ポイント
・舌の付け根からしつかり伸ばしてみましょう。
・1日3回、食前にしましょう。

効果
 唾液が出やすくなることは当然ですが、ほうれい線が薄くなり顎がシャープになり小顔効果が期待できます。頭痛が出た場合は筋肉が衰えてきています。無理をせず、少しずつ慣れていきましょう。

 

<著者紹介>

森 昭(もり・あきら)

竹屋町森歯科クリニック院長、歯科医師臨床研修指導歯科医。

昭和39年、京都府舞鶴市生まれ。平成7年、竹屋町森歯科クリニック開業。人口8万人の小さな町の歯科医院でありながら、3ヵ月先まで予約が取れないという人気歯科医院。商圏が2~3キロと言われている歯科業界において本医院は50キロを超える。
「歯医者を行きたい場所に変える」をモットーに掲げ、特にデンタルエステには定評がある。平成19年、MDE (メディカル&デンタルエステ)協会を設立。唾液分泌を促進させる癒しの予防歯科(デンタルエステ)を全国の歯科医師、歯科衛生士に啓発。平成24年、第1回「歯科甲子園」準優勝。
現在は、スタッフのモチベーションの高さが注目され。歯科に限らず、様々な業界向けに講演を行っている。著書に『指示待ちスタッフが変わる仕組み』(現代書林)、『行列のできる歯科医院3』(共著、デンタルダイヤモンド社)がある。



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