老後対策が気になり始めたら? ―55歳までには始めたい4つの準備
2017年02月22日 公開 2024年12月16日 更新
※本記事は、『老後資金、55歳までに準備を始めれば間に合います』(まえがき/あとがき)より、一部を抜粋編集したものです。
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老後対策が気になり始めたら ―いつから何をすればいいのか
私は2016年6月で55 歳になりました(1961年6月生まれ)。
私の心が「老後対策をせよ!」と叫び出して、「マイブームは老後対策」と思い始めたのは、私が50歳の誕生日を迎える半年前、2010年12月、東日本大震災が発生する少し前で、民主党政権下の暗い時代だった頃です。あれから5年が経過した2015年12月の時点で、「完成」というにはまだまだほど遠いのですが、「老後対策」としては概ね軌道に乗ったため、皆様にもその秘伝のプロセスをご紹介しようと思い立ったのです。そうすることで、皆様にも「安心の老後」を獲得していただければと願って筆を執りました。
老後対策としては、「いつから何をすればいいのか」ですが、遅くても「50歳」が見えてきた頃に始めるというのが理想です。もちろん、それよりも早くから始められればそれに越したことはありませんし、「55歳くらいまでに始められれば何とかなる」と私は考えています。
何をすればいいのかですが、それについては本書で詳しく述べるとして、まずは項目だけを箇条書きでご紹介します。
自宅の購入
私が「マイブームは老後対策」と思い始めて、まず着手したのは自宅の購入です。それまでは、賃貸マンションに住んでいましたが、自宅を購入することにしたのです。いわゆる「賃貸か分譲か」という議論でいうならば、「分譲」に軍配を上げたのです。
なるべく長く働けることをみつける―サイドビジネスを立ち上げる
そして次に考えたことは、「少なくとも定年までは働こう」ということです。当たり前のことを再確認したのです。
私の場合、青山学院大学に奉職しており、幸いなことにその定年が遅く、68歳と9カ月(満68歳になった後に最初に迎える3月31日)で定年を迎えるため、一般的なケースよりも定年は遅くなります。そのため、40代の頃は、「65歳くらいで自主定年しようかな」と思ってみたりしていたのですが、その考えを改めて、「少なくとも定年までは働こう」と考えたのです。
2011年12月に自宅を購入し、79歳までの長い住宅ローンを組んだということも、このように考えるようになった原因のうちの大きなひとつになりました。また、何といっても、なるべくたくさん働いておいたほうが老後の蓄えを補強するのにはよいだろうと考えたわけです。
そしてさらには、定年後も可能な限り70歳までは働こうかな、と思うようになりました。これも私の場合幸いなことに、すでに44歳のときにサイドビジネスを立ち上げており、それには定年がないので、それを70歳までは続けようと決意を新たにしたのです。
サイドビジネスを立ち上げた当初は「いつまで続けられるものやら。5年ももてば御の字だろう」と思っていたのですが、その考えを改めて、できることなら70歳までは続けようと決意したのです。
このように、自分自身のサイドビジネスをもっていれば、そのビジネスについては定年を自分で決められます。
「金地金」で「貯『金』」する
その次に着手したのが、長期的な目線で行なう「貯金」です。それまでにも、いわゆる「蓄え」はいくらかあったのですが、私の場合、生活資金的な現預金以外はすべて株式投資に充当していたので、「貯金」らしきものは持っていませんでした。
そこで「貯金」をしようと思ったのですが、この時点で考えたのは、「貯金」といっても、普通に貯金することではなかったのです。
「金地金」で「貯『金』」をし始めたのです。要するに「長期的な価値の保存」ということの本質的な原点に立ち返って「貯金」をすることにしたのです。「金地金」で「貯『金』」をすることで、インフレ対策にもなると考えました。
「株式」と「不動産」による資産運用
そして、老後対策ということを考えるときに、避けては通れないのが「資産運用」です。「資産運用」は主に株式と不動産による資産運用で行ないます。私は30年前から株式投資をしてきましたので、このことについては新たに何かを始めたというわけではなく従来の路線を踏襲しただけなのですが、老後対策ということを念頭に置くことで、運用に関する指針が補正されたというのはたしかです。
また、不動産について私なりの考えをまとめたものも本書に書きました。
これらの4つの項目について準備をすることが老後対策として非常に有効だというのが私の結論です。