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どこの脳番地を使っているかを意識すれば、脳はまだまだ成長できる

2017年04月04日 公開

加藤悛徳(医師・医学博士、「脳の学校」代表)

脳

植物と同じように脳も育てられる

みなさんは植物の育て方を知っていますか? 朝顔、ヘチマやキュウリなど、少なくとも学校の授業や生活の中で、育て方を習った記憶があるでしょう。光にあてて、水をやったり、肥料をあげたり、ある時期には水をやり過ぎないようにしたり、といった育てるポイントをご存じだと思います。

では、脳はどうでしょうか。実は、私たちは今まで「脳の一生」についてほとんど知ることがありませんでした。脳には何が必要で、どうすれば成長するのかわからないまま生活しているため、知らず知らずのうちに衰えさせていたわけです。しかし植物の一生を知ることで育て方がわかるように、「脳の一生」を知れば、脳も自分の思うままに育てることができるのです。

実は植物と脳では育て方にあまり違いはありません。もちろん、脳は光合成をしませんし、水も体に必要な分だけで十分です。ただし、光や水に代わる必要な要素がいくつかあります。それは「情報」や「経験」です。

これらの必要な要素がわかっていれば、植物と同じように脳を育てることができるのです。

MRIという装置を使い、私は今までに1万人以上の人の生き方とともに脳の画像を診断してきました。約30年かかって脳の成長の原理を手にしましたが、これが実に植物に似ています。脳内での葉の茂みにあたるのは、神経細胞が詰まった皮質と呼ばれる部分で、画像で見ると白くモコモコした部分です。枝はネットワークをつかさどる神経線維です。画像で見ると、脳全体がまさに一本の樹木のように見えるのです。

樹木は1本1本、枝ぶりと葉の茂り方が違います。脳も同様に、その形は一人ひとりに違いがあります。一人として同じ形の脳はないのです。脳の強い部分は枝ぶりが太く、弱い部分は貧弱になります。葉も多く茂っている部分はよく発達している、という具合です。

脳を成長させることは、50歳を過ぎてからでもけっして遅くはありません。世話を怠たらず、育てることをやめない限り、どんどん育ち続けます。

「私の脳はもう枯れているだろう」と思ってしまったら、枯れるように自分が育てているということなのです。

 

「情報」を与えることで脳は作られる

脳を育てるためには、植物の光や水に代わるものが必要だとお伝えしました。ここでは脳に必要な栄養素についてお話ししましょう。

酸素や糖分など、脳にとって物理的に必要不可欠なものがありますが、栄養素として重要な役割を果たしているのが生活の中にある「情報」です。脳に情報を与えると、その情報を理解した細胞だけが活動を始め、枝がだんだん伸びていきます。未来に向かって情報を与え続けることによって、もっと理解できるといわんばかりに脳の形が整ってくる、ということです。

情報の量と内容によって、私たちは知らず知らずのうちに脳を成長させ、脳の形を変えてきました。情報量が多ければ多いほど脳をたくましく太らせ、情報量が少なければ痩せたままになります。それが個人個人の得手、不得手となってあらわれているといってもいいでしょう。

「速く走れるけれど体はかたい」「ジャンプ力はあるけれど鉄棒は苦手」といった運動能力と同じように、脳内にも得意なものと不得意なものがあります。

脳も筋肉と同じように、目的に特化した効果的なトレーニングが可能です。

私は思いどおりに脳を育て、形を変えることができた人の脳を「優れた脳」だと考えています。もとから脳がすべて完成している人、生まれつきの天才など存在しないのです。

もともと出来が悪いのだろう、頭の使い方が悪いのだろうと思い込み、そのことを嘆いている人もいるかもしれませんが、脳は形を変えながら成長するもの。さまざまな情報を取り入れて自分の能力を発掘し、新たな自分自身と出会い続けることが人間の本質なのではないかと、私は思っています。

とにかく、どんな情報でも与えれば脳は育ちます。脳に多くの経験をさせ、大きくたくましく育てることが大切です。自分の可能性を信じて、積極的に情報を取り入れれば、脳の成長が止まることはありません。それは高齢者のMRI画像からもはっきりと見てとれる、証明ずみの事実なのです。

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