“語彙力”は出世にも響く⁉ あなたは大人の言葉づかいができていますか?
2018年05月25日 公開 2022年08月09日 更新
お礼の気持ちを表現する
「マジで」「超」などは、大人が使うべきではない若者言葉の代表例ですが、深い恩のある相手には、ただ「お世話になりました」というだけでは物足りませんね。どうしても「本当、マジで、超・超・超お世話になりました‼」と、言いたくなってしまうようなとき、その強い思いを伝えるのにオススメの言いまわしが、「ひとかたならぬ」です。少し古風な表現であるだけに、重みをもって思いを伝えることができます。
格別にお世話になった人のお礼を伝える場合にはもちろん、異動や退職などの重要なことを知らせるメールや、郵送するお礼状・挨拶状(年賀状など)のような、少しあらたまった連絡に向いているフレーズです。
例:ひとかたならぬご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
ですから、逆に、日常的なお礼で、この言葉を乱用するのはよくありません。大げさで嘘くさく感じられ、発言自体が、心のこもっていない軽薄なおべっかのように聞こえる危険性があるからです。
また、注意したいのは目下の人や身近な人(家族、同僚など)にはあまり使わない表現だということです。目上の人、また、取引先などの少々距離のある人に対して使うものだと覚えておきましょう。
この「ひとかたならぬ」同様、お礼の気持ちを強調する古風な表現に「甚く(いたく)」「ひとえに」があります。
この言葉はまだ自分には使いこなせない、自分の年齢や雰囲気に合わないと思う人は、かわりに「誠に」「甚だ(はなはだ)」「格別に」などを取り入れてみてください。
反省を真摯に訴える
顔は、世間と向き合う、その人の看板のような役割を果たすものです。そうした顔の重要性から、顔、そして面目(めんぼく・めんもく)は、体面や名誉、世間からの評価などを意味する言葉になりました。
恥ずかしいことをしでかすと、人に「顔向けができない」ようになりますし、「面目丸つぶれ」「面目を失う」という言い方をします。自分の不始末で、他人の評判を下げてしまったときには、「顔に泥を塗る」「面目(顔)をつぶす」などといいます。
反対に、名誉を保ったり高めたりしたときは「面目(顔)が立つ」、得意な分野で十分に実力を発揮したときは「面目躍如(めんもくやくじょ)」を使います。
「面目ない」も、「(合わせる)顔がない」も、「相手の期待に応えられておらず、恥ずかしい思い」を表します。
「いやぁ、面目ない面目ない」というような軽い言い方では反省の意が伝わりませんので、真剣な顔で「本当に面目ないことです」と、丁寧に言うのがよいでしょう。
例:とんだ失態を演じ、面目ないことでございます。
顔といえば、他に「顔から火が出る」という慣用句や、恥ずかしさから顔に冷や汗をかくことを意味する「汗顔の至り」という言いまわしもあります。
これらの言葉を適切な場面で使えば、「本当にすみません」よりも一段と申し訳ない気持ちが相手に伝わるでしょう。
いかがでしょう。まずは日常に取り入れやすい語彙を挙げてみました。
語彙力に難があると自覚している方は簡単なレベルからスタートし、徐々に難易度の高いものにも挑戦してみてください。豊富な語彙を身につければ、きっと知性と魅力のあふれる大人に一歩近づけることでしょう。