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早稲田大学卒47歳エリート行員は、突然の「左遷」をどう乗り越えた?

2018年07月25日 公開

江上剛(作家)

銀行
 

五十路の壁(1)「やりがいの壁」の乗り越え方

居場所を見失わないために、50歳になったら必ずしておくべきこと

仕事とは不思議なものだ。仕事をするうえで、収入が第一かと言えば、それだけではない。 やりがいという要素がある。

やりがいとは何か。それは人それぞれだろうが、ひとえに自分の居場所ということではないだろうか。

居場所とは何か。それは自分が認められる、存在を認識してもらえる場所だ。

学校では相変わらずいじめが続いている。いじめの中でもっとも陰湿なのは「シカト」だ。存在を無視されることだ。自分の存在がなくなると人は猛烈な孤独を感じて、さらに他者との接触を断つようになってしまう。その挙句に自殺などという悲劇を迎えることになる。

これは学校でも会社でも同じだ。会社でも居場所をなくした人は悲劇だ。誰からもその存在を認められないで職場に居続けることはできない。

かつて窓際族などという存在がいた。会社のリストラ対象なのだが、辞めないので窓際で一日、何もせずに過ごす人のことだ。

これには懲罰的な意味もあった。「お前は不要だ」ということを心底思い知らせるために壁に向かって座らされ、その机には電話も何もない。その人には誰も話しかけてはならない。

まるで達磨さんが、洞窟の壁に向かって坐禅を組み、悟りを開く修行をしているようなものだ。しかしここでは悟りではなく、絶望を自覚することになる。「もう、辞職しよう」と思わせるまで、その懲罰は続く。

これは本当に辛い。俺はこんなひどい仕打ちをする会社と戦う、という強い意志を持っていなければ、到底、耐えられるものではない。

このように仕事とは何かと問われれば、自分の居場所ということになる。

居場所が確保できれば、他者とのつながり、いわゆる絆ができ、それがやりがいにつながる。他者に評価されたい、愛されたい、褒められたいなどの欲望が湧いてくるからだ。その結果が収入ということになるだろう。つまり収入はあくまで結果なのだ。

もちろん、人によっては収入第一ということもある。

自分をいくらで雇うのかという態度を示して、相手が、これこれの収入を保証するというような場合だ。これは最初から居場所が決まっている恵まれた人だ。例えば、プロ経営者と言われるように実力を他者が認めている場合だろう。

しかし50歳を過ぎて、出向や役職定年などを迎える「普通の会社員」には無縁のことだ。
 

五十路で居場所が消えてしまったら

新入社員の頃は、与えられたポストで必死に頑張って居場所を確保した。次々と新しいポストを与えられ、そこでも頑張って居場所を確保した。こうして会社の中で居場所が次々とできる。まるで雲の上に向かう階段のステップを一段、一段作っているようなものだ。

そうやって上ってきたら、急にステップがなくなった。あら!と足を踏み外しそうになる。今まで上ってきた階段を振り返ってみた。衝撃だ。何もないのだ。今、何もない空間に漂っているような状態だ。あると思っていた居場所の階段は前も後も消えてなくなってしまったのだ。

それはあなたが歩いてきたポストが、今や不要になってしまったのか、あるいはあなた自身が会社で不要となってしまったのか。いずれにしてもあなたはふわふわと漂うことになる。

私自身もふわふわと漂いそうになったことがある。勤めていた第一勧銀(現・みずほ銀行)本部から、15年振りに高田馬場支店長になった時だ。周囲の人からは「これで小畠(江上の本名)もお終いだ」と言われた。本部で総会屋事件の処理などで活躍し、有名人(行内)だった私は、本部でしかるべきポストに就くものと思われていたのだろう。

ましてや当時は、富士、興銀との経営統合の真最中だったからだ。「大人しくしていろ。本部に戻してやるから」とおためごかしに忠告してくれる先輩もいた。私も「まさか」支店長になると思わなかったから、これから先どうしようかと迷わなかったと言えば噓になる。支店長の発令を受けても、どのように支店経営するか、まったくアドバイスはないからだ。私はどう居場所を確保しようかと考えた。しかし、地元の人や支店行員のみんなが支えてくれたので楽しく勤務できた。

ここまで考えると、50歳を過ぎたら自分で居場所を探しなさいということに尽きる。いつまでも会社に頼って「居場所を与えてほしい」などと言っているようじゃ、ふわふわと漂うことになる。無重力の空間に命綱なしで、放り出されることになる。

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