「目的を明確にする」それがマネジメントの第一歩!
見えないものを見えるようにする──それが、組織のマネジメントの第一歩です。特に、仕事の目的があいまいなのは致命的。
人は情報を与えられないと不安になり、それが不満に変わります。やがて、その不満は不信感に姿を変えます。目的が示されないチームは、どのようなプロセスを経て不信感を募らせるのでしょうか?
①仕事の優先度の認識ズレ
初期症状がこれ。上司と部下、チームメンバー同士、仕事の優先度に対する意識のズレが生じます。
・上司が重要だと思っていた仕事、部下は単なる突発のやっつけ仕事だとしか思っていない
・資料の原案、手書きでさっさと書いてほしかったのに、部下はパワーポイントで時間をかけて丁寧に仕上げてもってきた
・明日やればいい仕事なのに、今日中に終えようと、遅くまでがんばっている
・上司は、この仕事を通じて部下に新しい技術にチャレンジしてほしいと思っていた。しかし、部下はいままでのやり方でササッと片づけてしまった
②手戻る
目的意識の不在やズレは、往々にして手戻りを生みます。
「え、この資料、社外に出す資料だったんですか? 社内用語で書いちゃいました」
「なんですと!? この仕事、1回きりじゃなくて、今後も発生するんですか?(だったら手順書を作りながらやったのに)」
「え、これ社長もご覧になられるんですか!?」
「このパンフレット、モノクロ印刷で配布するものだとわかっていたら、印刷した時に潰れない色で作ったのに……」
はい、手戻り発生! 残業発生!
③生産性が下がる
こんなすれ違いや回り道を繰り返していて、生産性が上がるわけがありません。
④成長イメージが見えない
目的が見えない景色は、目先の仕事の生産性を下げるばかりでなく、部下の成長も阻害します。
毎回、細切れ、ブツ切りで目的も全体像も見せずに作業だけを振る。丸投げする。大げさにいえば、未来が見えなくなります。それでは、受身になってしまって当然。
⑤モチベーションも下がる
目的を示してもらえない。情報を与えてもらえない。部下は「自分が信頼されてない」「大事に思われていない」と感じるように。
手戻りだらけ、言った言わないだらけの職場では、愛着を感じなくなります。仕事に対する誇りもなくなります。自分が成長できない組織では、やっぱりやらされ感しかもてません。だって、人間だもの。
いかがでしょう。チームを育てているつもりが、むしろ不信感がすくすくと育っている。で、どこから変える!?