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生き方

あなたの「イライラ」は悪くない! ストレスから身を守るには「怒り」を味方に

関屋裕希(せきや・ゆき/臨床心理士)

2018年09月27日 公開 2019年08月09日 更新

あなたのこんなものが傷つけられていませんか?

では、今の社会では? 先ほどの例で、どんな大切なものが傷つけられていたか、境界が侵害されていたか、見てみましょう。

・上司が曖昧な指示を出した挙句、企画書に後から細かくダメ出しをしてきた
 →自分が取り組んだ仕事や、それにかかった時間

・同僚から自分の企画に否定的な意見を言われた
 →自分の大事な企画が通ること

・若手社員がミスしてばかりなのに反省しない
 →「後輩をちゃんと育てたい」という想い、「新入社員はこうあるべき」という価値観

・コピー機まわりの雑用を頼まれた
 →自分の仕事にかける時間

では、どうすればいいでしょうか。まずは2つの基本を押さえてください。

①怒りを感じることと、それをどう外に表現するかは分けて捉える

私たちが「怒りを感じたくない!」と思うのは、攻撃的な行動に結びつきやすいという理由が大部分を占めています。けれど、実際には、怒りを感じることと、感じた怒りをどう表現するか(または、表現しないか)は別の段階です。

 「怒るなんて子どもっぽい」
 「感情的になるのはよくない」

そう言われて育つうちに、「怒りを感じること自体がよくない」と思い込んでしまいがちですが、本当にまずいのは「表現方法」の部分です。さらにいえば、怒りを感じるかどうかは自分で選びにくい段階ですが、どう表現するかは「自分のコントロールがきく」段階です。

②怒りやすさには環境も関係していることを理解する

イライラしてばかりいるとき、「自分って怒りっぽいな」と自己嫌悪になることがありますが、実際は怒りやすさにはさまざまな環境要因や、体調なども関係します。たとえば、暑いとき、疲れているとき、人はイライラしやすくなることがわかっています。イライラが続くときには、不快な環境になっていないかチェックして、その調整を試みることも大切です。

この2つを押さえたら、怒りを味方につける方法をどんどん身につけていきましょう!

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