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生き方

あなたの「イライラ」は悪くない! ストレスから身を守るには「怒り」を味方に

関屋裕希(せきや・ゆき/臨床心理士)

2018年09月27日 公開 2019年08月09日 更新

大事なものを守るための行動を決めていく4つのステップ

これまでの方法を活用してクールダウンしたら、「傷つけられている大事なものは何?」と自分に問いかけてみましょう。それをヒントに、次のような4ステップで、行動を決めていきます。最初に挙げた細かくダメ出しをしてくる上司の例で、追ってみましょう。

①大事なものを特定する
「せっかくやった仕事」や「それにかかった時間」が傷つけられていました。

②守るための行動をリストアップする
せっかくやった仕事や時間を無駄にしないために、どんな行動がとれるでしょう?
・曖昧な指示が出たときには、あらかじめ上司の指示を具体的に確認しておく
・6割できたところで一度見てもらう
このように、大事なものを守るのに役立つ行動をリストアップしていきます。

③優先順位をつけて、どんどんやる
それぞれの行動の実行可能性と有効性を検証してみましょう。たとえば、次のような5 段階で考えてみるのも1つの方法です。

 【実行可能性】
 5:すぐに実行できる
 4:実行しやすい
 3:実行できるが、労力がかかる
 2:実行できるが、自分1人では難しい
 1:労力がかかり、自分1人では難しい

 【有効性】
 5:効果テキメン! 即解決
 4:効果あり
 3:効果はあるが、効果が出るまで時間がかかる
 2:相手次第で効果が出るかが変わる
 1:効果が出るまで時間がかかり、相手次第で変わる

では、②でリストアップした行動を検証すると、どうなるでしょうか。

・指示を具体的に確認する
 →指示されたとき、上司に質問して確認をすればいいので、5くらいありそうです。効果は、どうでしょう。ある程度は効果がありそうなので、4とします。

・6割できたところで一度見てもらう
 →上司が目を通してもらえるか予測できないところもあるので、実行可能性は3。

見てもらえれば効果は高そうなので、4とします。

もし、どの行動を試すか優先順位がつけにくい場合は、実行可能性の高いものを選んでください。効果が高いことも大事ですが、実行に移せないと話にならないからです。

傷つけられている大事なものをヒントに行動する

④効果UP!の振り返りをする

振り返るときは、次のようなポイントを中心にします。
 ・どれくらい効果があったか?
 ・障害はなかったか?
 ・もっと効果をあげるために工夫できそうなことはあるか?
振り返ったら、障害への対策と、もっと効果をあげるための工夫を盛り込んで、次の対策をたてます。こうしてブラッシュアップしていくことで、そもそもの「腹の立つ場面」を減らして、怒りを予防することもできます。

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