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戦国大名・上杉家と「惑星探査機はやぶさ」の意外な関係

上杉邦憲(上杉家17代当主)、真田幸光(真田信之末裔)

2019年05月24日 公開 2022年07月08日 更新

 

「はやぶさ2」のミッションが成功すれば「太陽系の成り立ち」が判明するかもしれない

そして「はやぶさ」で苦労して得た技術や経験の全てを結集したのが2号「はやぶさ2」ということになります。

今後「はやぶさ2」が行うミッションは世界初のものだと思います。

「はやぶさ」では、小惑星に弾丸のようなものを打ち込み、浮き上がってきたものを採取していましたが、この方法では、表面のものしか採取できませんでした。

本当であればさらに惑星の内部の物質を採取したい。といっても、着陸してドリルで掘ることはできないのです。

先ほど申し上げたように小惑星には重力がありませんので、「作用反作用の法則」からドリルで掘ろうとしても跳ね返されてしまうのです。それならば、と足場を固定してドリルで掘ろうとすると、今度は離陸できなくなってしまう恐れがあるのです。

結局、一瞬着陸した後に離陸するタッチ・アンド・ゴーのような方法で採取していますが、この方法だと先述の通り、表面のものしか取れません。

そこで、「はやぶさ2」で試みようとしている方法が、上空で爆弾のようなものを爆破させて、表面に穴を掘るという方法です。

いわば、人工のクレーターを作ってしまおうということです。その後、着陸し物質を採取してくるという方法を実行しようとしているのです。これが世界初の試みです。

もし成功すれば、今まで得ることのできなかった内部の物質が採取できるわけですから、大変貴重なものになります。

また、今回の「はやぶさ2」プロジェクトは「地球の起源を探る」という意味があります。小惑星は、40数億年前に太陽系が生まれたときから集まってできたものです。

地球もそういったものがたくさん集まってできたものですが、空気や熱で変化しています。一方で、小惑星はその当時の元のままの形で存在しているということです。「太陽系の化石」と呼ばれています。

それを調べれば太陽系の成り立ちがわかるのではないか、また、もし水や有機物が見つかれば、地球に生命をもたらした大元は、小惑星にあったのではないかという仮説も証明できることになります。

そのような理由からも、来年2020年12月に無事に帰還するのを心から楽しみにしております。まさに、「為せば成る」の精神で、ぜひ成功してほしいと思っています。

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