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質問力を高め、人生を豊かに、しなやかに変える

2019年07月12日 公開

国友秀基(株式会社HRインスティテュート 取締役 シニアコンサルタント)

国友秀基(株式会社HRインスティテュート 取締役 シニアコンサルタント)

<<これからの時代のビジネスパーソンに求められる力の1つ、それは質問力(問う力)である。

人と人のコミュニケーションにおいて、何かを質問し、それに対して答えるという行為は、誰もがごく日常的に行っているものだろう。それだけコミュニケーションの根底をなすものだからこそ、敢えてスキルとして鍛えるという発想を抱きにくいものでもある。

しかし、質問力を鍛えることは、単にビジネス上のメリットや効果をもたらすだけでなく、自分自身の人生の質をも変えるパワーさえ生み出すのだと国友秀基氏は語る。これからの時代を生きる上で「質問力」はどのような効果を発揮するのだろうか。

大手企業を中心にビジネススキルを軸とした人財育成を手掛けるHRインスティテュートのコンサルタントによる連続講座「人生100年時代を生き抜くためのビジネススキル講座」より、「第6回 100年時代を生き抜くコミュニケーション力を鍛えるーー「質問力」で思考に拡がりと深みを」を紹介する>>

※本稿は、2018年8月に天狼院書店「京都天狼院書店」で実施された講座を基に構成されたものです。

 

AI時代にこそ、「質問力」が求められる

私たちの会社は、日々、数多くのお客さまにコンサルティングや研修プログラムを提供しています。その研修プログラム中で、最近お問い合わせをいただく機会が増えているテーマの1つが「質問力」です。

今回は、「質問力」が求められている時代背景も踏まえてお伝えし、どうやれば「質問力」を高めることができるのかについて考えてみたいと思います。

いまは「VUCAの時代」だと言われています。

VUCAとはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉で、現代の経営や個人のキャリアを取り巻く環境を表現するキーワードとして使われています。

つまり、昨日までは「まさか」と思われていたことが世界中のいたる所で起こってしまう、非常に先が見通しづらい、不安定で不確実な時代に突入しているという意味です。

実際に「人生100年時代」に突入したいま、国、企業、そして私たち個人を取り巻く環境に大きな変化が訪れています。

右肩上がりの日本経済はもはや幻想に過ぎず、それに伴い日本型雇用システムと言われた年功序列、終身雇用なども終焉を迎えつつあります。

新卒時に一括で採用され、そのままその会社に定年まで勤務するというキャリアプランは、今、急速に崩れはじめ、もはや企業も個人もそれを期待していないと言っても過言ではありません。

企業が副業を認めたり、フリーランスとして働く人が増えたりという流れが大きくなる中で、長時間労働が当たり前で人生がほぼすべて会社と一体化しているような生き方ではなく、会社以外のさまざまなコミュニティに複数の軸足を置きながら長い人生をしなやかに生きていくことが必要になってきています。

私たちは多様なコミュニティの、あらゆる人々に対して、これまで以上にオープンでフラットな姿勢を持つ必要に迫られているということです。
関わりを持つコミュニティが広がる分、自分のコミュニケーション能力も広げていく。

そんなしなやかさを身につけなければならなくなっているのです。

また、他方では、IT技術が急速に進化し、AI時代が到来します。
それによって、これまで人間が行ってきた仕事の一部はAI、コンピュータに置き換わるようになっていきます。

では、こうした時代背景を受け、なぜ今「質問力」、すなわち「問う力」が求められているのでしょうか?

それは、私たちが生きているのが「答えがない」「正解がない」時代だからです。逆に、だからこそ思考停止状態を脱し、「自ら考え、問わなければならなくなった」とも言えるでしょう。

これからはAIやコンピュータに対して人間が持つ優位性とは何かを真剣に考えなければなりません。知識のストックの量や計算などのスピードでは、人間は到底コンピュータには敵うはずがありません。

だからこそ、むしろAIやコンピュータに「何を計算させるのか」を考えること、AIに質の高い「問い」を与えること、それこそが人間が生み出すべき付加価値になってくるのではないでしょうか。

計算できないこと、答えがないことを粘り強く、泥臭く、人間らしく考え抜くこと。これからのビジネスパーソンには、こうした領域での思考力が求められるようになってくると思います。

そして、こうした時代背景を受けて、私たちが問うべき対象にも変化が生まれています。

「何をやるか」そして「どうやるか」よりも、「なぜそれをすべきなのか」「そもそも、何のためにそれをやるのか」といった「目的」に対する問いがより重要になってくると思います。

前述のように正解がない時代には、「そもそも」を問う、目的から問い直す、そんな「目的思考」も求められてくるでしょう。

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