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アップルCEOのティム・クックに「史上最高のCEO」の声も…ジョブズをも超えるその”能力”

リーアンダー・ケイニー(堤沙織 訳)

2019年09月14日 公開

 

ジョブズとは違った革新を目指す、クック率いるアップル

2015年、それまで密かに進められていた、アップルの自動運転車開発プロジェクト、通称プロジェクト・タイタンの存在が明るみに出た。クックは元フォード幹部のザデスキーを責任者に任命し、他の企業から千人におよぶ優秀な人材を引き抜いた。

しかし2016年1月、ザデスキーは"個人的な理由"でアップルを退社し、他にもこのプロジェクトに携わっていた多数の社員の人員整理が行われ、アップルカーへの夢は途絶えたかのように思えた。

だが2017年に入ると、再び進展を見せることとなる。この時、初めてクック自らタイタンについて言及し、このプロジェクトのコアとなる自動運転システムが、「もっとも困難なAIプロジェクトの1つ」となる可能性を指摘し、道のりが容易ではないことを示唆した。

現在もタイタンの進行状況は明確にはなっていないが、カリフォルニア州車両管理局(DMV)で自動運転の許可を取得し、アップルの自動運転車が公道で度々目撃されるなど、プロジェクトは着実に前進しているようだ。

 

アップル史上最高のCEO~ジョブズは製品開発こそ一流だが、CEOとしては二流だった~

アップルのような成熟した企業に最も必要なのは、製品よりもむしろ効率的なサプライチェーンや流通経路、財務やマーケティングといったロジスティクスであり、クックはその全てに対して高い才能を持っている。このことから、アナリストのデディウは、クックこそアップル史上最高のCEOであるという。

しかし多くの人は、ジョブズこそがそれにふさわしい人物だと反論するだろう。とはいえ、ジョブズは製造においては間違いなく優れたリーダーだったが、真のCEOとは言えなかったと説明する者もいる。

ジョブズはCEOだった頃から、本来なら自分がやるべき仕事はクックに任せ、自分は天職である製品開発に集中していた。アップルのような巨大な複合企業には、ジョブズのような専門家よりも、クックのような何でも屋の方がCEOに最適なのは間違いない。

またクックは、環境保護やマイノリティのために多額の寄付をし、政府の要求に抗ってまで顧客の個人情報を保護するなど、世界に影響力を持つ企業のCEOとして、常に正しいと信じる道を突き進んでいる。

こうしてクックは、アップルをより良い企業にしているだけでなく、世界をより良い場所へ変化させ続けている。

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