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「がん」と「ブログ」に密接な関係!? 老年医療の専門医が示す"長生きの可能性"

大津秀一(早期緩和ケア大津秀一クリニック院長)

2020年02月07日 公開 2024年12月16日 更新

 

うつや絶望感があると、がんの再発につながりやすい?

他にも1999年に行われた乳がんの患者さんの研究でも、次のような結果が出ています。

・不安・抑うつテストの抑うつ領域の値が高い患者の全死亡率が高い
・がんに対する心理的適応を評価するための尺度であるMAC(Mental Adjustment to Cancer)で、無力感/絶望のカテゴリー(正確には、Helpless/Hopelessカテゴリー)の点数が高いほど、再発や死のリスクが高い

飛躍した結論は厳に慎まなくてはいけませんが、抑うつや無力感/絶望感があると、再発や死亡に関連しているという結果から考えて、心理的な状態ががんの経過にも影響を与える可能性はあるということでしょう。

がんになってからも、がんになりやすい思考を正すことが、経過に関連しないとも言い切れないでしょう(もちろんこれは仮説です)。

 

リアルな現場で「いや」と言えないときこそ、「書くこと」に挑戦

タイプCは典型的な、うちにこもって、心を押し込めようとする性質のように読めます。俗に言う「いい人」と呼ばれることもあるでしょう。

やはり気持ちは、親しい人や医療者などにオープンにする機会を持つことが、あるいは嫌なことは嫌と言えるほうが良さそうです。そして、書くこともそれに類する効果を得られる可能性があります。

リアルな現場では、感情を過剰に表現するとコミュニケーションの失敗につながる可能性があるかもしれませんが、これらの研究成果を踏まえると「グッと我慢は大敵」です。ふだん書く習慣がない人も、そういうときは「書くこと」に挑戦することをお勧めしたいと思います。

【参考】
(1)
https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.2013.50.3532https://www.ascopost.com/News/12937
(2)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10533861

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