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「熱は38度以上」「のどが痛い」の情報から診断が可能だった80年代のAI ただし…

大澤正彦(AI研究者)

2020年03月02日 公開 2020年03月23日 更新

 

「アキネイター」は第2次ブームのAI技術が活用されている

当時の技術が活用された有名なツールとして、「アキネイター」というプログラムエンジンがあります。質問に答えていくと、自分が思い描いているキャラクターや動物をあてられる、というものです。

では、私があるキャラクターを思い描いて、「アキネイター」であてられるかどうか試してみましょう。

アキネイター「女性ですか?」
  私    「いいえ」
アキネイター「ユーチューバーですか?」
  私    「いいえ」
アキネイター「物語の主人公ですか?」
  私    「はい」
アキネイター「名前が作品のタイトルになっていますか?」
  私    「はい」
アキネイター「人間ですか?」
  私    「いいえ」
アキネイター「ロボットですか?」
  私    「はい」

アキネイター「五人グループの一人ですか?」
  私    「いいえ」
アキネイター「騎士に守られていますか?」
  私    「いいえ」
アキネイター「猫と関係がありますか?」
  私    「はい」
アキネイター「ドラえもんですか?」
  私    「はい」

計九個の質問で、ドラえもんが出てきました。「アキネイター」のなかには、たくさんの知識が書き込まれています。それらの知識をもとに、ドラえもんが導き出されたのです。

仮に10個目の質問で「ドラえもんですか?」と聞かれて、私が「いいえ」と答えたとすると、ふたたび別の質問が出てきます。

正解が導き出されるまでにいくつも質問が出てきますが、最終的に答えがあたらなかったときには、

「答えは何でしたか?」
「何か、いい質問を考えてください」

といったメッセージが出て、知識を集める仕組みになっています。

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大量の情報を書き込まなければいけない

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