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社会

テレワークで阿鼻叫喚!! 自宅で集中できない人に教える「在宅ワーク巧者の知恵」

PHPオンライン衆知編集部

2020年04月09日 公開 2020年04月10日 更新

 

「自宅だからこそできる」集中力アップのコツ

安西「3つ目は、個人的に集中力を高めるために行っていたことなのですが、再生時間が1時間ほどの音楽を聴きつつ仕事に掛かり、その音楽が終わるまでは集中する、というものです。慣れてきたら、より再生時間の長いものに変えてもいいと思います。

4つ目は『無理に我慢をしない』です。自宅にはさまざまな誘惑が存在していますが、我慢を自分に強いすぎるとストレスになります。集中できない状態を無理に続けるよりは、いったん誘惑を受け入れてしまえば、切り替えられて集中力も復活しますし、何しろ罪悪感が仕事のスピードを加速させてくれます(笑)

これと近いかも知れませんが、5つ目は『疲れたら昼寝をする』です。少し寝るだけでも頭がスッキリします。これで集中力が高まるわけです」

――4と5は衆人環視のオフィスではなかなかできないことですよね

安西「自宅で働くかぎりにおいては、やるべきことをやった上で時間があれば何しても良いという考えあってのことです。

自宅で働くということは、他人の目が無い以上、評価される指標は「こなした仕事」という成果だけですからね。オフィスで働くルールとは別物だと考えないと、同じまたはそれ以上の成果を出すことは難しいでしょうね。それは双方の働き方を比較してみて、本当によく分かりました」

 

会社はテレワークをする社員に「既存のルール・やり方」を押し付けてはいけない

ここまでの3人の「自宅ワーク巧者」たちの話に共通するのは、固定された1日8時間、始業・就業時間という、企業の就業規則的な労働時間のルールに縛られない柔軟な時間の使い方をしていることだろう。

オフィスワークの利点は活用できないが、自宅だからこそ実現できる集中力の最大効率化を追求し、成果を出し続けているからこそ、長年の自宅ワークが実現できている。

昨今の情勢から在宅でのテレワークを導入せざるを得なくなった企業も多く存在するかもしれないが、単にオフィスでの仕事を家で行えばいいという話ではない。

多くの会社員にとって、元来、自宅は生活する場であって、仕事をするためのものではないのだ。当たり前のように聞こえるが、見落とされがちな点でもある。社員が成果を出すためには、出社主義を前提とした企業のルールとテレワークが合致しているのかが課題となってくる。

つまりテレワークにおいては、マネジメント側による自宅勤務の環境支援や、既存の業務フローや就業規則などのルール変更など、柔軟な対応が求められるのだ。これまでのルールを当てはめようとしても、無理が生じるだけだろう。

「明日からテレワークだから、パソコンを家に持ち帰って仕事して!」と指示するだけでは、"業務崩壊"も起きかねない。目の前にいない社員や部下たちがどれだけの成果を残せるのか。そのためには何が必要で、具体的にどう動けばいいのか。前例の無い策も必要となってくる。

出社してデスクに座っていることことがアピールにはならないテレワークでは、実は、マネージャーの真の実力が試されているのかもしれない。

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