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地価は崩壊寸前…森永卓郎氏が明かす「いま都心の物件を買ってはいけない」本当の理由

森永卓郎(経済アナリスト/獨協大学教授)

2020年06月19日 公開 2024年12月16日 更新

 

5%以上の表面利回りが確保できる物件を狙え

いまバブルを起こしているのは、東京都心部だけです。他の地域は、そもそもバブルを起こしていないので、バブル崩壊の影響は、ほとんど受けないでしょう。

それでは、バブルを起こしている場所とそうでない場所をどう見分けるのか。それは、不動産投資をしたときにきちんと利回りが取れるかどうかです。

不動産投資の利益は、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類に分かれます。

「インカムゲイン」というのは、購入した不動産を貸し出すことで得られる「家賃収入」です。その家賃収入が投資金額に対してどれだけの比率になるかというのが、「表面利回り」です。

投資家は家賃収入のなかからローン返済や諸経費を支払わないといけませんし、空室になるリスクにも対応しなければなりません。

ですから、表面利回りが3%を下回っている物件は、手を出してはいけません。可能なら5%以上の利回りを確保しておくべきです。都心の不動産には表面利回りが3%を下回っているものがたくさんあります。それだと賃貸に回しても、実質赤字になりかねません。

それでも、買い手が後を絶たなかったのは、「キャピタルゲイン」が得られるからです。キャピタルゲインというのは、物件を売却したときに得られる「値上がり益」です。

東京都心の地価は、リーマン・ショックの影響で一時的に下落した後、この10年間、ほぼ一貫して上昇してきました。つまり、インカムゲインが取れない物件でも、キャピタルゲインで十分な収益が獲得できていたのです。

ただ、これまで述べてきたように、コロナ後のライフスタイルの変化のなかで、その構造は変わる可能性が高いでしょう。少なくとも、値上がり狙いで都心の物件を買ってはいけないと私は思います。

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