家で「不要不急」を満喫しよう!
――このように、本格的に自分の内面に向き合う以外にも、「自粛」中にできることはたくさんある。
「掃除をする、読んでいなかった本を読む、楽器を弾く、ヨガに初挑戦してみるなど、なんでも構いません。『やりたかったけれども、忙しくてできなかった』ことを軒並み実行に移しましょう。老後の楽しみに、と思っていたことでもいいでしょう。
『~したい』は、本当の自分の発露。頑張ることを盾にして、したいことを後回しにしてきた生き方をリセットすることになります」
――不要不急の用事で外に出ることを避けることが求められている今だが、家の中で、思う存分、不要不急にいそしめばいいと心屋氏は語る。
「私に言わせれば、これまで『~しなくては』と思ってやっていたことこそ、人生における不要不急です。仕事も、『わざわざ出勤しなくても、リモートワークでできるじゃないか』と多くの人が気づいたはず。堅苦しいスーツやネクタイを着用しなくていい毎日に、開放感を覚えている人も多いでしょう。
このように、『周囲の目が気になる』という理由だけで行なってきたことをリストアップし、一つひとつ止めてみるのもいいですね。
これまで着なかったようなファッションに挑戦してみるのも面白そうです。家族に『いきなりどうしたの!?』と言われても、全部『コロナのせい』で押し通せばいいんです(笑)」
――コロナ禍は決して「禍」だけではなく、新しい生き方に通じる扉でもある。
「何かに追い立てられて突っ走ってきた人たちは、ムリやり立ち止まらざるを得なくなったこの状況で、最初は強烈な不安を覚えます。
しかし、実は誰もが、何にも追い立てられてなどいないのです。不安とは幻想であること、これまでに植えつけられた思い込みが源にあることに、早く気づいて軌道修正しましょう。
新型コロナウイルスは、私たちから多くを奪う一方で、時間をくれました。その時間をただ不安だけで塗りつぶさず、本当の自分に立ち返る時間にしましょう。それは生き方の変革であり、働き方の変革にもなるでしょう。
その先に、新たな未来を拓く意欲とアイデアも生まれてくるに違いないのです」