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異説を採用した!? 大河ドラマ『秀吉』が描いた「本能寺の変の真の原因」

前田慶次(名古屋おもてなし武将隊)

2020年07月25日 公開 2022年06月30日 更新

 

堺で大金の徴収を命じられた秀吉

『麒麟がくる』や他の大河ドラマでも大事な用語とも言える「矢銭」。これは軍資金の事である。その地を治めておる大名や将軍といった武家の人間が、徴収する金で税金に近い。

織田信長は数々の地域で矢銭を徴収して、軍の金として利用してきた。経済人信長らしい策の一つである。ドラマの中では商いの町、堺から2万貫を徴収して来いと信長が光秀に命じていた。

しかしながら、秀吉が出世の為、この任の立候補をする。2万貫という金額、現世の価格で最低でも2億円、時価で考えるとそれ以上の価値あったと考えられる。その莫大な金を取り立てるわけじゃから、取り立てられる商人達からは良い顔はされんわな。

この誰もやりたがらない面倒な仕事を一つ一つ成功させたが故、秀吉は織田家の中で地位を確立していった。大河ドラマ『秀吉』は秀吉と光秀がライバルとして描いておる故に、お互いに張り合い、どちらが一歩リードして武功を立てるかが強く描かれていた。

秀吉が、武功を立てるのに必死になる姿は『麒麟がくる』では描かれそうにないので、貴重な姿やもしれんぞ。

 

大河ドラマ『秀吉』が採用した説は? 本能寺の変を原因をどう描いた?

大河ドラマ名場面スペシャルで、必ず登場する本能寺の変。どの作品も、謀反を起こした要因が違うので、大きな見所となっている。大河ドラマ『秀吉』は面白い説を採用していた。

丹波との争いを避けるために、母を人質に差し出した光秀。そんな光秀の奔走にも関わらず、信長は光秀の策とは裏腹に、敵方の重要人物を殺めてしまう。結果、人質に送った光秀の母が処刑されてしまう。

光秀の怒りの沸点が限界に近づきつつあった。そんな時に、徳川家康と千利休から悪魔の囁きをされ、光秀は主君を討つと心に決めて本能寺の変を引き起こす。

つまり、光秀が自分に対する扱いへのストレスだけでなく、暴君信長によって心を痛めた光秀を徳川家康と千利休がそそのかした、という黒幕説を採った。

『麒麟がくる』では光秀が主軸故に、これまでとは違う本能寺の変になる予感も最近強く感じている。小和田殿や脚本家の者がきっと何か仕掛けてくるぞ。

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現代の「お花見」の形をつくったのは秀吉?

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