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「老いた犬や猫を見捨てないで」 身勝手な飼い主に苦しめられるペットたち



2020年07月29日 公開

鈴木聖子(動物看護師、彩の国動物愛護推進員)

ペットを殺処分にに追い込む飼い主の責任

SNSで無数に公開されている犬や猫をはじめとする愛くるしい「ペット動画」。多くのユーザの琴線に触れればたちまち拡散され、動物たちを愛でるコメントで埋め尽くされる。

しかし、動物看護師として病院でペットの哀しい現実と向き合い続けている鈴木聖子さんはこの現状に対して「ペット自身が本当に幸せでしょうか?」と疑問を投げかける。そして、日本で数多くの犬や猫が飼い主の飼育放棄によって保健所に引き取られている現状を訴えている。

本稿では鈴木さんの新著『ペットと幸せに暮らすための「13の質問」』より、無責任な飼い主を生んでしまう背景を指摘した一節を紹介する。

※本稿は鈴木聖子著『ペットと幸せに暮らすための「13の質問」 未来の飼い主さんが準備しておくべきお金や保険のこと』(インプレス刊)より一部抜粋・編集したものです。

 

身勝手な飼育による"お金"の問題?

動物看護師として多くの飼い主さんを目にし、ペット飼育におけるあらゆる問題に直面してきましたが、その多くが"お金"に関係することでした。そして、前項でお話した購入時の気軽さに対して、その後の飼育にかかるお金の問題のほうがより深刻です。

例えば、ペットの体調不良で病院に来たにもかかわらず、治療すれば良くなるような場合でも「お金が出せないから治療しない」という飼い主さんがいます。

苦しんでいるペットのために治療を提案しても金銭的な問題で断られ、安価な応急処置だけを済ませてそのまま帰ってしまうことも珍しいことではありません。

もちろん治療の選択は飼い主さんに決定権があるため、病院側から強制することはできません。しかし、そういった飼い主都合の判断によって苦しみ続け、結果的にはそのまま亡くなってしまうペットもいるのです。

こういった金銭的な理由による飼育放棄は、ペットの治療費に多額の費用がかかることや、ペットも人間と同じように(またはそれ以上に)病気や怪我のリスクを抱えていることを理解しきれていなかったことが原因です。

なかには、ペットを多頭飼いしているにも関わらず「お金がない」と言う飼い主もいます。ペットを何匹も飼うのであれば1匹1匹それぞれに同じだけのリスクがあり、病気や怪我の際の費用が何倍にも膨らんでいることを理解しておかなくてはいけません。

多頭飼いに関連して、何匹も一緒に飼育している環境では望まない繁殖が起きてしまうことも多く目にします。

そのなかでも猫は繁殖能力が高く、避妊手術をしていないと気づかぬうちに妊娠してしまっていた、なんてことも……。自身が多頭飼いをしていなくても、屋外を行き来している猫であれば他の野良猫との子を産んでしまう可能性が高いのです。

犬と比べて猫のほうが圧倒的に幼齢で保健所に持ち込まれる比率が高い理由はこのためです。

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