なぜ礼儀正しさこそが「武器」なのか?
もちろんチームを動かすには、マネジメントのスキルも必要です。ですが、相手を思う気持ちがあればスキルは後からついてきます。歳をとったり、地位が上がってきたりすると、人はどうしても傲慢になってしまいがちなもの。若い頃の謙虚さを忘れ、態度が尊大になってしまいます。
地位の高い人にはペコペコするくせに、目下の人には威張り散らす人もいます。そんな人が身近にいたら、自分のあり方を見直すいい機会です。「自分は大丈夫か、傲慢になっていないか」と自問自答するようにしましょう。
私はといえば、会社の中で先輩、後輩を問わず、相手を「さん」付けで呼んでいました。
当時、社内では、部下や後輩を「くん(君)」付けで呼ぶのが一般的でした。しかし、「くん」付けで呼んでいると「彼は目下で、自分より劣っている」という意識が働き、相手に対する態度も尊大になってしまいます。
正直、私も最初のうちは、抵抗感がありました。自分よりも10歳近く年齢が違う新入社員を「さん」付けで呼ぶわけですから。「でも、若くても優れた人がいるのだから、多少気恥ずかしくても『さん』と呼ぼう」と決めていました。そう呼んでいるうちに次第に抵抗感はなくなりました。
「礼儀正しさにまさる攻撃力はない」
この言葉がユニークなのは、礼儀正しさを「攻撃力」と表現していることです。つまり、礼儀正しさは、人の心を動かすうえでの最大の武器になると言っているわけです。
だから、もし、自分とあまり合わない人がいてもそのときは、ぜひこの言葉を思い出してみてください。この最大の武器を使わない手はないでしょう。