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その時、うちの子は「イヤ」と言える?…伝えたい「からだの自己決定権」という意識

レイチェル・ブライアン(著),中井はるの(訳)

2020年11月19日 公開 2024年12月16日 更新

その時、うちの子は「イヤ」と言える?…伝えたい「からだの自己決定権」という意識

子どもに必ず教えたい、人生がうまくいく「人間関係の基本のスキル」って何でしょう?

「自分にとってイヤなことを人にさせない。逆に自分も、人がイヤがることはしない。」究極、この基本に勝るものはないのでは?と言われるほどの大原則ですが、そのための意思の確認が、「同意」です。

「同意」と言われてもピンと来る人も少ないかもしれません。日本ではまだ、「人間関係のスキル」としては新しい概念ですが、とてもシンプルだけど大事なこと。「同意」のやりとりのしかたを知っているだけで、人間関係に自信が持てて勇気が出る。そんな効果もあるから、見逃せません。

その大切な基本を知るための鍵とは?まず最初に覚えたいこと、それは、「自分のことは自分が決める!」(他人に決めさせない)と言う意識です。

それを支えるのは、「からだの自己決定権」と言うキーワード!では、それについて話題の新刊本からひもといてみましょう。

※本稿は、レイチェル・ブライアン(著)『子どもを守る言葉「同意」って何? YES、NOは自分が決める!』(集英社)より、内容を一部抜粋・編集してお届けします。

 

子どもの頃、親や大人にされて嫌だったこと、ありませんか?

【親戚のおばちゃん(おば)とレイチェルちゃん(レイ)の会話】

久しぶりに訪ねてきたおばちゃん。なんだかご機嫌な様子で遠くから話しかけてきました。

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【おば】「あーら、レイチェルちゃん! ひさしぶりね〜!!!こっちにいらっしゃい。その可愛いプニプニのほっぺをツネツネさせて〜!」

【レイ】「ぎょ!」(ほっぺをつねり上げられてるところを想像)

「えーっと…。」(困ったな、おばちゃんの言うことだから、「イヤ」なんて断れないよね?)
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誰でも思い出せばひとつやふたつ、覚えがあるかもしれません。身近な人になれなれしくされて、頭をなでられて嫌だったり、抱っこされて嫌だったり。その場で「いやだ」と言えることもありますが、相手が大人だと、言えないこともあります。

大人になっても、子どもの頃に言えなかったことが心のしこりに残っている人もいるでしょう。そして大人になった今も、人に「いやだ」と言えなくて、後悔することもありがちでは?

そのような「イヤ」と言えない経験の延⻑には「イジメ」「暴力」「性暴力」「ハラスメント」もあり得ます。学校の仲間が、よその大人が、親戚の人が、近所の知り合いが、時には家族の誰かが、意図を持って何かをしてきて、イヤでしかたなくても、そうと言えずに苦しむこともあります。

「誰にも言っちゃいけないよ」と拒めないように巧妙に「イヤなこと」をしてくる場合も、あります。

そんなとき、悪いのはしてくる方。された側は何も悪くありませんので、覚えておいてくださいね。

子どもにとって、いえ、大人にとっても心の傷にもなりかねない、そうした被害を防ぎ、自信を持って自分の心やからだを守るために必要なのは、大事な知恵=「同意」を知り、使いこなせるようになること。それって、どうしたらできるのでしょう?

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おばちゃんに「ツネツネしたい」と言われて困っているレイチェルの耳に、どこからか、ささやく声が聞こえてきました。

「自分で決めていいんだよ!だって、自分のからだのことだもの」

すると、こつぜんと現れた緑の本の扉が開き、ページがめくられて、王冠を身に付けた子どもが登場しました。

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「からだは自分のもの」という意識は、誰も教えてくれない

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