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生き方

「他人に罪悪感を押し付けてくる人」との上手な付き合い方

心屋仁之助(心理カウンセラー)

2020年11月24日 公開 2024年12月16日 更新

「他人に罪悪感を押し付けてくる人」との上手な付き合い方

真面目に、誠実に、人に迷惑をかけないように生きてきたけれど、なぜか生きづらい。「好きなことだけ」をして生きている人を「ずるい」と感じる……。そんな人は少なくないかもしれない。

だが、人気の心理カウンセラー・心屋仁之助氏は、コロナ時代だからこそ誰もが“ずるい生き方”をするべきだと説く。なかなかそうできない、という人が抱える「罪悪感」とその正体について聞いた。

※本稿は『心屋仁之助のずるい生き方』(かんき出版)より一部抜粋・編集したものです。

 

人に腹が立つのは、実は自分がそんな人間だから

僕は基本、真面目な人生を送ってきました。真面目に、ちゃんとして、誠実に、と心がけ、ずるいことはせず、人の役に立って、人に優しく、出しゃばらず、頑張って、ガマンして、感謝して、

「人に迷惑をかけない」

それを大切にして生きてきました。でも、だからこそ、その逆の他人に迷惑をかけて生きている人によく腹を立てていました。

不真面目で、ちゃんとしてなくて、ふざけていて、怠けて、遊んでばかりで、人に丸投げして、平気で嘘をつく、ずるくて、要領がよくて、役に立たず、他人に厳しく自分に甘く、頑張らない、出しゃばりで、手柄は全部自分のものにする、傲慢な人。

そんな人たちにいつも腹を立てていたのです。僕自身も迷惑をかけられることが大嫌いでした。腹を立てているからこそ「そうならないように」「あんなふうにならないように」と、反面教師にして生きていました。

でも、僕は気づいてなかったのです。

「そうならないように生きている」ということは、実は「そんな人間である」ということに。本当は「そんな」人間だからこそ、「そうならないように頑張ってきた」のだということに。

 

コロナ時代だからこそ“ずるい生き方”をする

新型コロナウイルスの影響により、世の中は一変しました。

これまでは、

「どんなに体調が悪くても、薬を飲んで這ってでも会社に行く」

という世界だったのに、この状況でやっと、「具合が悪いなら、家にいなさい。うつすとよくないから、出歩いちゃダメだ」という価値観に変わってきました。

「正しい」「当たり前」が変わってきました。

家で仕事をしたり、家族とゆっくりしたりしながら気づいたことはありませんか。僕たちは、今までどれだけ不要不急なもので、自分を満たしてきたのか。

やらなくていい仕事。行かなくていい職場。

追い立てられ、右肩上がりだけが素晴らしいと思い込まされ、もっと大きく、もっと速く、もっともっともっともっと、と走り続けてきました。辛いことがあっても歯を食いしばって、弱音を吐かずに耐えて耐えて耐えてきたのです。

「みんなやってるんだから」
「贅沢を言ってはいけない」
「ラクをして儲けてはいけない!」
「人を喜ばせないと!」
「お金はガマンの対価だ!」

そんな洗脳で、ガチガチに固まった価値観が、ここにきてガラガラと音を立てて崩れ始めています。

では、不要不急なことをやめて、僕たちは何をすればいいのか。今の時代に、うまくいく生き方とはどんな生き方なのか。それは、

本当はやりたかったこと。本当はやめたかったこと。
本当は行きたかったところ。本当は会いたかった人。
意味のないこと。役に立たないこと。罪悪感からやらずにいたこと。
ずっとお金や忙しさを理由に後回しにしてきたこと。

「やらなければ」とか「やるべき」をやめて、「やりたい」ことだけをする。生き方の優先順位を逆転させてしまうのです。それが人として、心の豊かな時間を過ごし、しかもお金も稼げて人からも愛される方法です。

これまでは、そんな生き方は「ずるい」と言われてきたかもしれません。だからずっと避けてきた、なかったことにしてきた「悪」とされてきたこと。

でもそれがあなた自身の“本心”で、望んでいる生き方です。これからは、そんな「ずるい生き方」ができる人が、幸せになる時代です。

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好きなことをするのに「罪悪感」は必要ない

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