佐々木俊尚 ヴァーチャルの進化が企業にもたらす変革とは

「VR」は我々の仕事や生活にどんな影響を与えうるのか。テクノロジーについて豊富な知見を持つ作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏にうかがった。
2020年12月30日 公開
ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」。こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。
今回、紹介するのはマーカス・バッキンガム,アシュリー・グッドール著,櫻井祐子訳『NINE LIES ABOUT WORK 仕事に関する9つの嘘』(サンマーク出版)。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。
『仕事に関する9つの嘘』というタイトルがまず惹きつけられます。そして、著者の1人であるマーカス・バッキンガムは有名です。累計100万部を超える大ヒット作である、『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』の共著者の1人です。
ストレングスファインダーという自分の才能(資質)分析を行うためのシリアルコードが付いている点がユニークな本です。フライヤーでも全メンバーがストレングスファインダーをしていて、累計で何十冊も購入しています。
そんな著者は本書において、事実と異なる通説を嘘と呼び、その実態を定量的なデータをもって明らかにしています。
ここで取り上げられている9つの嘘には、会社の人事制度上やむを得ないと考えられている嘘もあれば、シンプルに誤解が広がってしまったものもあります。では、1つずつ触れていきましょう。
第一の嘘は、「どの会社」で働くかが大事、というものです。中小企業では、就職面接で会う人の雰囲気で会社全体の様子がわかるかもしれません。
しかし、それは組織間の作用が複雑な大企業には当てはまりません。さらに競合がひしめく成熟産業では、個々の会社の特徴がわかりにくい傾向があります。
企業側の視点では、社員採用はターゲットとした人材の入社人数を主要な目標とするため、応募者に伝える内容の誠実さよりも入社に誘導するコミュニケーションが優先されます。
面談で伝えられるのはどの会社も、風通しのよい社風、SDGsの取り組み、ボランティア活動などです。それらには会社の個性が表れにくく、残念ながら働きやすさを変えることはほとんどありません。
現実の働きやすさを決める主な要素は、誰と働くかにあります。つまり、誰から仕事の指示が来るのか、上司がえこひいきをするのか、ミーティングはセレモニーで本当に意味のある議論はその前後の根回しにあるのか、というようなところに本質が宿るのです。
働きやすさの対極にあるのは分断や孤立で、働きやすさに直結するのは信頼や連帯でしょう。モチベーションが高く緊密なコミュニケーションをする集団では、ポジティブな影響を受けて刺激が得られます。
したがって、今働きにくいと感じているとしても、転職活動を始める前にいきいきと働いている人が多い部署への異動願いを出してもいいでしょう。隣の芝は青く見えるものという点を差し引いても、働きにくい要因が環境にあるのなら、誰かに相談するべきタイミングです。
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ヴァーチャルないしデジタルは、ウィズコロナの社会に欠かせないものとなっています。その発展はますます、ビジネスの可能性を広げることでしょう。
2020年はまさに「コロナ」に振り回された年だった。多くの企業が危機に陥り、厳しい状況は今も続いている。だが、経営コンサルタントとして数多くの企業を指導している小宮一慶氏によれば、この厳しい状況を飛躍のバネとしている企業も多いという。
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商人には好況不況はない、何(いず)れにしても儲けねばならぬ。松下幸之助はに危機をいかにして克服してきたのか。
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