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「他人から評価されることが怖い」人が本当に恐れているもの

2021年05月01日 公開

加藤諦三(早稲田大学名誉教授、ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員)

加藤諦三著『言いたいことが言えない人』

認めてもらいたいのに気持ちをハッキリと伝えられない。さみしいのに人と接すると居心地が悪い。気まずくなれば自分の殻に閉じこもり、非難されると不機嫌になる。だから摩擦を避ける。

「こんなこと言ったらバカにされる、嫌われる」と普段思っているのではないだろうか。悩み相談のスペシャリストである加藤諦三氏が、我慢しないでちょっとだけ自分を信じてみたら、人づきあいが楽になる方法を紹介する。

※本稿は、加藤諦三著『言いたいことが言えない人』(PHP新書)より一部抜粋・編集したものです。

 

恥ずかしがり屋は人嫌い

恥ずかしがり屋の人は他人とかかわりあいたくない。人と話をするのも気が進まない。人と話すのにエネルギーがいる。話すということは頑張って話すということである。リラックスして話すことができない。

人と一緒にいて相手に失礼になることをしないかといつも恐れている。相手の話を楽しめない。緊張して聞いている。だから人と一緒にいることで消耗する。長くなればクタクタになる。

パーティに出席すれば楽しそうにしていないとみんなに失礼になると思うから、楽しくないのに無理に楽しそうにする。何かを聞かれれば無理をして楽しそうに笑って返事をする。

沈黙になると身の置きどころがないから、話すことがないのに無理に話題をつくって話をする。沈黙になりそうになっただけで、沈黙になったらどうしようと不安な緊張に襲われる。

だから話をしている間にエネルギーを消耗して疲れる。パーティが終わってホッとするが、肩がコチコチに凝っている。相手を見れば話すことは出てくるのだが、相手を見ないし、相手に関心がないから話がない。

しかし恥ずかしがり屋の人も、もともと寡黙であったというわけではない。寡黙になるような人間環境のなかで育ったのである。まず人間嫌いの人に囲まれていた。そういう集団のなかで成長した。

話をすることを学習していない。どうしたら話ができるのかがわからない。小さいころに、人とふれあって生きなかったことの悲劇である。楽しい話題で食事をしなかったことの悲劇である。

人はそこにいるのがおもしろくないときには話をしない。黙っている。そこにいて楽しいときには話す。つまり恥ずかしがり屋の人が話をしたくないというのは、いる場所が楽しくないということである。ボロを出してはいけないと思っていたら緊張して饒舌にはならない。

これらのことを総合して考えると、要するに恥ずかしがり屋の人は「人が嫌い」ということである。だから恥ずかしがり屋の人も、人の悪口を言うときには饒舌になる。たまたまリラックスしたときである。

 

人から評価されるのが怖い

世の中にはまともに挨拶ができない人がいる。「人が怖い、人に近づきたくない」という心理が極端まで行けば、挨拶するのも苦になる。そして事実、安心して人に近づけないのは、自分が嫌われる存在という自己イメージがあるからである。

人に近寄るのが困難な原因のひとつとして、「低い自己評価」がある。自分は嫌われる存在という自己イメージがそれである。ではなぜそうした自己イメージを持ってしまったのか。その原因は親が人間嫌いだからである。

子どもは、自分はそのままでは嫌われる存在だと思うから、人に迎合する。迎合することで自分が自分にとって頼りなくなる。自分自身が頼りないから、人が怖いし、人に近寄りがたい。そこでさらに迎合する。この悪循環である。

迎合して一方的に相手に尽くしだしたら、だれでも相手を嫌いになる。人は孤独なときにそうする。「人が怖い」というと不合理と思う人がいるかもしれないが、決してそうではない。

肉体的に傷つけられたときに「人を恐れる」ということはだれでも納得する。しかし心理的に傷つけられても同じことである。やはり人に近づくことは怖くなるだろう。

恥ずかしがり屋の人が「人が怖い」という理由には、二つある。一つめは、人とどう接してよいかわからない。二つめは、人から評価されることが怖いということであろう。

自分より力のある人から自分が評価されるのが怖いのである。そして、その評価はいままではいつも低かった。そしてその低い評価ゆえに責められた。だから人が怖いのである。

評価されるだけで、責められることもなく、「実際の自分」が受け入れられて、いままでの楽しい人間関係を維持できるのならよい。しかし評価のあとで、必ずその評価に従って批判されるということが続く。だからもう人に近づくのが怖い。もう人と接することに疲れている。

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