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「するどい質問ができる人」が常に使い分けている“2つの型”

岡田昭人(東京外国語大学教授)

2021年04月26日 公開 2022年10月06日 更新

オープンクエスチョン

オープンクエスチョンが効果的な状況

オープンクエスチョンは、回答の自由度が広がるため、相手の答えに対してさらに質問することもできます。その結果として、次の話題へとつなげることも可能になります。以下のような場面で使うのが効果的です。

・アイスブレイク
「あなたの趣味はなんでしょうか?」

・ニーズを探る
「将来の進路に関してどのような目標や課題を持っていますか?」

・追加情報を得る
「今後レポートを書き進めていく際に、どのような情報があればよろしいでしょうか?」
「もう少しくわしく教えていただけますか?」

 

クローズドクエスチョンが効果的な状況

クローズドクエスチョンは明確な答えが得られるので、事実を確認したいときや、相手の意思を確認したいときに使うと効果的です。質問される側にとっても、基本的に「はい/いいえ」の二択で答えられるため、心理的な負担が少ないのが利点です。

・相手の同意を得ながら話題を運ぶことができる
「現在直面している悩みは、〇〇〇でいいでしょうか?」

・会議などで話題をコントロールする
「もし質問がなければ次のテーマに移りますが、よろしいでしょうか?」

・クロージング
「次回のミーティングは、来週の水曜日と木曜日ではどちらにしましょうか?」

 

質問の型を使い分けて相手の考え方を明確に

ここでは留学をテーマに、クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンで相手の将来の目標をはっきりさせてみましょう。

<クローズドクエスチョン>

A「あなたは留学がしたいのですね?」
B「はい」
A「それは英語圏の国ですか?」
B「はい。英語で授業が受けられる国に行きたいです」
A「留学に必要な国際英語試験で十分なスコアを取得していますか?」
B「はい、すでに取得しています」
A「専門領域は決まっていますか?」
B「いいえ、まだはっきり決まっていませんが、教育学を学びたいと思っています」
A「教育学についてこれまで勉強したことがありますか?」
B「いいえ、ただ留学するまでにある程度の知識を身につけたいと考えています」
A「留学に必要な経済的準備はできていますか」
B「はい、奨学金制度に採用される可能性が高いです」

 

<オープンクエスチョン>

A「あなたはどこに留学したいですか?」
B「英語圏の国々に関心があります」
A「いつからその国々に関心を持ちましたか?」
B「大学に入学してからです」
A「英語圏のどの国に留学したいですか?」
B「まだ迷ってますが、現時点ではイギリスに留学したいと考えてます」
A「なぜイギリスに関心があるのですか?」
B「イギリスの文学について研究を進め、卒業論文を書きたいからです」
A「どの作家を研究したいと思っていますか?」
B「ウイリアム・シェイクスピアを取り上げたいと思っています」
A「どのような方法で調査しますか」
B「シェイクスピアに関する講義を受ける、大英図書館で古文書を収集する、研究者にインタビュー調査する、という予定です」

このように、クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンを駆使することで、よりスムーズに的を得た質問ができるようになるはずです。

 

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