1. PHPオンライン
  2. 生き方
  3. 泣きじゃくる子、癇癪を起こす子が…子どもの成長におどろいた話

生き方

泣きじゃくる子、癇癪を起こす子が…子どもの成長におどろいた話

『PHPのびのび子育て』読者エッセイ

2021年06月23日 公開 2022年03月09日 更新

 

言葉のキャッチボールを大切に

昨年、小学1年生になった息子。夏休み前に担任の先生との個人懇談がありました。そこで、「お友だちとおしゃべりはするけれど、集団で遊んでいるときにみんなが違う所に行っても、一緒に付いていかずに1人になります」と言われました。そして、お家でコミュニケーションをたくさん取るように心がけてくださいと課題をいただきました。

幼稚園の頃から、友だち関係については悩んでいました。幼稚園から少し離れたところに住んでいたためバス登園をしており、幼稚園が終わった後、お友だちと一緒に遊ぶことがなく、幼稚園後に遊ぶ中でできた仲良しの輪に、息子はなかなか入っていけなかったようです。

参観などでは楽しそうな様子も見られたのですが、幼稚園から帰ってくると、録画したアニメを見るのを止める時間になっても止められなかったり、もうお腹いっぱいなはずなのに、お菓子をもっとと欲しがったりすることがよくありました。

何か楽しいと思えることをと、絵本を読むことや工作をすることを提案しても嫌だといい、息子が気持ちを切り替えられないことに悩んでいました。「いい加減にしなさい」と怒ってしまうことも少なくなかったです。

担任の先生がおっしゃったようにコミュニケーションを取れるようになって、思っている気持ちを言葉に出すことができれば、癇癪を起こす前に、自分が何が嫌なのかといったことも言葉にできるのではないかと思い至りました。

テレビをずっと見たいと言うのも、お菓子を必要以上に欲しがるのも、本当にそうしたいのではなくて、不安な気持ちや不満をどう伝えればいいかわからなかったからでは、とやっと気付きました。

癇癪を起こしそうなときに、コミュニケーションを重ねるのは難しいです。なので、普段息子が楽しそうにしているときや、学校で嬉う れしかったことを聞いてと言ってきたとき、絵本を読んでいるときなどに、キャッチボールをするように言葉を重ねることを心がけました。

夏休みが終わり、気温が少し落ち着いた頃、息子の様子に少しずつ変化が出てきました。学校から帰ってきて宿題をしてから、公園に行くようになりました。同じクラスの友だち数人と近所の公園で遊ぶ約束をしたようです。

友だちと学校が終わってから遊ぶようになって、テレビをずっと見ることもなくなり、お菓子も、お友だちと分け合う分を少し持っていって食べたり、以前のように欲しがらなくなりました。

幼稚園の頃は、帰ってきて着替えたズボンを翌朝洗濯するとき、ズボンはとてもきれいな状態でしたが、今は土で汚れ、ポケットに砂や小さな石が入っていることが多くなりました。洗濯は大変ですが、息子がお友だちと元気に楽しく遊ぶようになって、嬉しい気持ちでいっぱいです。

癇癪を起こして本当は息子自身が一番しんどい気持ちを抱えていたのに、なかなかそれに気付けず、申し訳なく思いました。息子の表面の言葉だけを捉えるのではなくて、息子の心に「今」あるものは何かと見つめ、わかってあげることが、母である私の役目だと気付きました。

これからもボールの投げ合いのようなコミュニケーションを大切にしようと思います。息子の話を聞くことは、私にとって何よりも嬉しい発見や喜びがあることですしね。(牧野恵梨子・主婦)

関連記事

アクセスランキングRanking

前のスライド 次のスライド
×