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精神科医が見続けた「体がSOSを出しても、ムリしてしまう努力家」の危うさ

井上智介(精神科医・産業医)

2021年07月09日 公開 2022年06月06日 更新

 

がんばりすぎないための10の方法

気がつくとついがんばってしまう……そんなときに、できそうなことから試してみてください。

(1)批判はあって当たり前と思っておく
誰からも納得されることを目指してしまうかもしれませんが、世の中の人全員から好かれるということはありえない話です。最初から、批判されることを想定に入れておけば、心の準備もできるし、受け入れやすくなります。

(2)自分の気持ちを述べる
相手に気を使いすぎるのではなく、自分の素直な気持ちを述べましょう。まずは身近な場面で「今日のランチは和食が食べたいな」「暖房が効きすぎて暑いです」など言ってみるところから始めてみましょう。

(3)やれることをやるだけで満足する
誰かに認められることを意識しすぎて、自分のキャパシティ以上を目指さないように注意しましょう。今やれることをやっているあなたは、ある意味限界への挑戦中なのですから、現状に充分満足してください。

(4)やりたいことがなくても気にしない
夢や目標を持って努力する姿はまぶしく見えるかもしれませんが、誰もがやりたいことを持っているわけではありません。やりたいことがなくても、一生懸命に「今」を生きている自分をもっと褒めてあげてください。

(5)何事も60点でOKと思う
いつも100点満点を出し続けることなんて誰にもできないから、周りが期待した通りに動かなくても構いません。時には、「仕方ないよなぁ」「まぁいいか」とあきらめることも大切です。自分の合格ラインは60点にしておきましょう。

(6)好きなことに磨きをかける
磨きをかけるのは、仕事などのスキルだけではありません。漫画を読むことや、映画を見ることなど、あなたが好きだと思えることに、もっと時間やお金をかけたり、触れる頻度を増やしたりと、いっぱい磨きをかけてください。

(7)謙遜しすぎない
誰かに褒められたとき、「いえいえ、私なんて……そんな……」のように、過剰に謙遜していませんか。それは謙遜ではなく、自己を卑下する行為です。褒められたときは、笑顔で「ありがとうございます。うれしいです」と受け入れましょう。

(8)NOを伝える
断ると、自分の能力不足を認めて相手からの評価が下がることになるのではと心配かもしれません。しかし、NOが言える人は、超えてはいけない自分の限界をしっかり把握している立派な人だと自信を持ってください。

(9)「自分がやりたいのか?」を確認
誰かに評価されるために、自分の気持ちを抑えてまで相手に尽くすのはやめましょう。人を助けることは素敵なことですが、その前に素直な自分の気持ちとして、「本当にそれをやりたいのか?」と聞いてみてください。

(10)休みの予定を先に入れる
休みを先に予定に組み込んでください。「今の忙しい仕事が終わったら、ゆっくり休む」というスタンスでは、結局、トラブルで予定通りに終わらなかったり、すぐに次の忙しい波が来て、なかなか休めないものです。

 

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