PHPオンライン衆知 » 趣味・教養 » 日常の疲れを「ソロ温泉」で癒す...マニアが紹介する“一人で楽しめる名湯5選”

日常の疲れを「ソロ温泉」で癒す...マニアが紹介する“一人で楽しめる名湯5選”

2021年08月17日 公開

高橋一喜(温泉エッセイスト)

野沢温泉
野沢温泉(長野県)「麻釜」

「ひとりで温泉に行くにはどこがいいですか?」

温泉そのものを楽しんでほしいという理由から「ソロ温泉」を推奨する、温泉エッセイストの高橋一喜氏は、このような質問をよくされるという。

しかし、温泉地(温泉施設)には個性がある。海か山か、にぎやかな温泉街か静かな温泉地か、などと求めるものによって相性の合う温泉地は変わってくるという。

本稿では全国3600の温泉を巡った経験を持つ高橋氏が、"温泉街"と"大自然"の視点から、ソロ温泉におすすめの温泉地(温泉施設)を紹介する。

※本稿は、高橋一喜 著『ソロ温泉―「空白の時間」を愉しむ―』(インプレス社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

浴衣で散策。周辺宿が豊富な温泉街「野沢温泉」

せっかく温泉に出かけるのだから、温泉旅ならではの情緒を感じたい…。そんな人には温泉街が形成された温泉地をおすすめしたい。

ソロ温泉は温泉そのものを堪能するのが重要な目的であるが、雰囲気のよい温泉街を散策すれば旅の充実度は倍増する。入浴後に浴衣と下駄で温泉街を歩けば非日常感を味わえる。ソロ温泉の初心者にとっては、温泉の魅力を多面的に感じられるという点で適している。

温泉街が充実している温泉地といえば、草津温泉(群馬県)、下呂温泉(岐阜県)、城崎温泉(兵庫県)、有馬温泉(兵庫県)、別府温泉(大分県)などが挙げられる。

どこも見どころの多い日本を代表する温泉地であるが、先に述べたように温泉街が充実し、観光客が多い温泉地は、ソロ温泉の舞台としては少々にぎやかすぎる。これらの温泉地は、ひとりになるというよりも、家族や友人といっしょに訪ねると楽しい温泉だといえる。

どこに行ってもカップルやグループばかりが目につくと、旅に慣れていない人はかえってさびしさを感じてしまうかもしれない。

狙い目は、それなりに街並は充実しているけれど、観光客がそれほど殺到しない、落ち着いた温泉街である。

ちょうどいい塩梅なのは、野沢温泉や渋温泉などである(ともに長野県)。

野沢温泉は、近くに大きなスキー場が広がり、ウインタースポーツが盛んなイメージが強いが、温泉街としても日本有数の魅力を備えている。

石畳の温泉街は旅館や土産物屋が多数集まっていて温泉情緒がある。浴衣姿で温泉街を散策する湯浴み客の姿が見られたり、朝市が催されたりするのもいい。

そんな温泉街だから、湯浴みの合間に散策するのも楽しい。温泉街の坂をのぼりきったところにある麻釜は、野沢温泉のシンボル的な存在で、国の天然記念物でもある。

90℃ほどのアツアツの源泉がぐつぐつと湧き出している。「野沢温泉の台所」とも称され、今も住民が野菜などを茹でる光景を見ることができる。

早く目が覚めた早朝に麻釜を訪ねたことがあるが、湯気がもくもくと立ちのぼっていて、幻想的な光景が広がっていた。

また、徒歩圏内に13の無人の共同浴場があり、観光客にも寸志で開放されている。江戸時代から続く「湯仲間」という村人の自治組織によって管理されていて、地元の人と湯船の中で交流するのも楽しい。

共同浴場が大切にされている温泉街は、温泉の質もすぐれているものだ。もちろん、共同浴場も旅館もかけ流しで、源泉の個性を実感できる。

さらに、高級老舗旅館から民宿まで宿のバリエーションが豊富なのもソロ温泉向きである。宿泊は温泉のついていない安価な民宿を選び、外で共同浴場の湯めぐりを楽しむというスタイルもありだろう。

 

湯めぐりが楽しい温泉街「渋温泉」

渋温泉
渋温泉(長野県)「外湯めぐり」手ぬぐい

一方、渋温泉は端から端まで歩いて10分ほどのコンパクトな温泉街であるが、石畳の通りに旅館や土産物屋、飲食店などが所狭しと軒を連ねている。やはり外をふらっと散策するのが楽しい温泉街である。

また、渋温泉には9つの「外湯」と呼ばれる共同浴場があり、「外湯巡り」が人気だ。宿泊客は浴場のカギを借りて、浴衣姿で自由に湯めぐりを楽しめる。

9つの湯をすべてまわって温泉街の高台にある「高薬師」に参詣すれば、苦(九)労が流され、満願成就するといわれている。その際、旅館で販売されている手ぬぐいに、各外湯に設置されている朱印を押すことができ、スタンプラリー感覚で湯めぐりを楽しめる。ひとり無心で湯めぐりをするのもいいだろう。

野沢温泉と渋温泉、2つの温泉地に共通しているのは、浴衣姿の宿泊客がそぞろ歩きを楽しんでいること。どちらの湯街にも、かつての温泉地の「原風景」が残っている。散歩がてら温泉の情緒や文化などに触れたい人にはおすすめである。

次のページ
大自然が織りなすダイナミックな造形美が見られる「小安峡温泉」 >

関連記事

編集部のおすすめ

「猫の生き方を真似する」となぜラクになれるのか?

高木佐保(ネコ心理学者)

「減らす、片づける、磨く」 仏道に教わる、幸せになれる“掃除の習慣”

松本紹圭(東京神谷町・光明寺僧侶、武蔵野大学客員准教授)

縄文人は温泉に入っていたのか? 日本人と温泉の出会いを探る

石川理夫(いしかわ・みちお)

2月開催!!ハッピーウーマンオンラインセミナーシリーズ-Dr.クリスティンペイジ

WEB特別企画<PR>

アクセスランキング

WEB特別企画<PR>

2月開催!!ハッピーウーマンオンラインセミナーシリーズ-Dr.クリスティンペイジ
  • Facebookでシェアする
  • Twitterでシェアする

ホーム » 趣味・教養 » 日常の疲れを「ソロ温泉」で癒す...マニアが紹介する“一人で楽しめる名湯5選”

×