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なぜ数学を学ぶ「文系卒ビジネスマン」が急増しているのか?

2021年08月17日 公開

冨島佑允(とみしまゆうすけ)

 

まず数学の「俯瞰力」を磨くことからスタート

限られた時間の中で数学を学んでいく最良の方法は、まず数学の「全体像」から入ることです。つまり、学生時代のように論理を1つ1つ積み上げていく「ボトムアップ型」ではなく、数学とはどのような学問で何の役に立つかという全体感から入る「トップダウン型」の学び方をするわけです。

数学の全体像を頭の中に入れてしまえば、あとは興味のある分野を掘り下げてみたり、理系の社員との会話の中で気になったテーマを調べて理解を深めたりしていくこともできます。

つまり、より細かく知りたいときは、また時間を見つけて学んでいけばよいのです。そういう学び方をすれば結果的に、ボトムアップ式よりもはるかに効率的に数学的思考をインストールすることができます。

拙著「数学独習法」は、そのようなトップダウン型の学び方を前提として、これからの時代に特に重要視され学んでおきたい数学に焦点を絞り解説しました。

数学とは何か、どう考えるのか、何の役に立つのかという「数学の俯瞰図」を頭の中に作り上げることが本書の目的です。数学的=理系的な思考の要点は、余計なものを切り捨てて本質を浮かび上がらせる「シンプル・イズ・ベスト」にあります。

その発想法は実はとてもビジネス的で戦略コンサルタントなど文系的な職業の思考法と多くの共通点があるのです。そのため、経験豊富なビジネスパーソンであるほど、要点さえ掴めば数学的思考法は意外とすんなり頭の中に入っていきます。

数学の俯瞰図を頭に入れることには様々なメリットがありますが、ここでは大きなものを3つ挙げたいと思います。

 

メリット1:アイデアの引き出しが広がる

数学的アイデアの引き出しが広がることで新しいビジネスの立ち上げや、既存ビジネスの効率化を考えるとき「こういう数学が使えるのでは?」というヒラメキにつながり、理系の社員に相談したり、専門知識を有するIT企業に連絡をとったりして形にしていくことができます。

仕事は協力しながらやるものですから、自分が細かい計算までマスターする必要はありません。それに、人間の手に負えない複雑な計算はコンピューターがやってくれます。引き出しを多くして、ヒラメキの可能性を高めることが重要なのです。

 

メリット2:世の中の動きが見える

今まで蚊帳の外だった最近の理数系の話題、例えばAI、機械学習、ビッグデータ、自動運転、コロナ感染シミュレーションなどが分かり世の中の動きがより深く理解できるようになります。

 

メリット3:理系社員の会話が分かる

数学の俯瞰図が頭に入ると、今までは「こいつら何を言っているのか分からん…」と聞き流していた理系社員の会話が分かるようになって、自分からも話題が振れるようになってくる。そうすると社内のネットワークが拡大して課題の発見や新しいプロジェクトの立案につながっていくかもしれません。

ビジネスで成果を挙げながらも、さらなる高みを目指して数学を勉強する方々がこれほど多くいるということは日本にとって希望の光になると思っています。大人が「背中を見せる」ことで次代を担う子供たちの数学への興味が育っていくことも期待したいです。

 

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