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「国が想定する最低生活費は年48万円」...会社員が知らない年末調整の基本

2021年12月03日 公開

高橋創(税理士)

資産運用

「生きている限り、避けて通れないものがお金です。お金のしくみを詳しく知ることで、もしかしたら『困ったときに利用できる制度』や『税金がちょっと安くできる』といった発見があるかもしれません。」税理士の高橋創氏はこのように語る。本稿では、普段はなかなか意識をしない「お金のしくみや制度」について解説する。

※本稿は、高橋創監修『給与明細から読み解くお金のしくみ』(日東書院本社)より一部抜粋・編集したものです。

 

「年末調整」ってなに?

所得税は1月1日から12月31日の所得に対して計算し、確定申告で1年分をまとめて納めます。しかし会社員の場合、毎月の給与に対して計算された所得税が事前に引かれる「源泉徴収制度」が採用されています。

企業は従業員から徴収した源泉所得税を毎月税務署に納付しますが、従業員が10人以下の企業には半年に1度納付する特例もあります。月々の残業代やインセンティブ(成績に応じて支払われる報奨金)などの手当により月給に変動があると、「源泉徴収税額表」の等級も変わります。

この表は目安で作られているため、12月に確定した年間の所得で改めて計算を行うと、すでに納めている源泉所得税との間に誤差が発生することがあります。その差額の精算を行うのが「年末調整」です。

年末調整は月々の差額精算の他に、個人で加入している生命保険などについても調整計算を行います。毎月の源泉所得税を計算するとき、公的保険である社会保険料は計算に織り込まれます。これと同じように、生命保険や個人年金といった保険の保険料にも所得税を減らす効果がありますので、年末調整での調整計算に含めます。

 

謎の数字が並ぶ「源泉徴収票」

1月1日から12月31日までの1年間の所得税を精算する「年末調整」の計算が終わると「源泉徴収票」が発行されます。これは会社員の簡易版・確定申告書のようなものです。会社は1人につき4枚発行し、本人と税務署にそれぞれ1枚、市区町村には2枚提出します。

源泉徴収票には、会社から支払われた年間の給与額と確定した所得税額の他に、1年間支払った社会保険料の合計額などが記載されています。文字は小さいし、意味の分からない数字が並んで、何をどう読めばいいのかわからないと机に仕舞い込んでいる人もいるかと思います。

しかし、働く限り毎年受け取るものですので。この機会に一緒に解読していきましょう。年末調整でも少し触れた「所得控除」は、源泉徴収票にも登場します。

この所得控除とは、所得税を計算するときに納税者の個人的な事情を考慮して、定められた15種類の控除に関しては所得税から差し引き(課税対象から除外)税金の負担を小さくしますよというものです。所得控除に該当するものがあれば、それだけ納める所得税も少なくなるので覚えておきましょう。

また、源泉徴収票の所得控除をよく見てください。実は各種保険料の金額をいくら足しても「C 所得控除額の合計額」には届きません。中には自分の源泉徴収票を計算して「間違えているのでは?」と不安になった人もいるでしょう。

この謎の48万円の正体は「基礎控除」です。会社員・個人事業主問わず誰でも適用されるため、所得控除の詳細欄には記載されていないという、少々不親切な作りです。

基礎控除は、生きていくために必要な最低限の生活費からは税金を取らないことを目的としています。しかし裏を返せば、1年間48万円で生活できると想定されているとも読み取れます。

2020年の税制改正により今までの一律38万円から48万円に引き上がり、さらに収入により段階的に控除率を引き下げ、一定の高所得層以上は控除額が0円になるよう改正されました。それでも1年間48万円では生活できませんよね...

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