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東大・ハーバード大卒、安定を手に入れたはずが40歳で“子どものために”独立した理由

2021年12月29日 公開

本山勝寛(株式会社4kiz代表)、鬼塚忠(作家エージェンシー代表)

本山勝寛

現在、12歳以下の子どもが使える本格的なSNSは世界に存在しない。そのため、FacebookやInstagram、TikTokなどのプラットフォームを、子どもが年齢を偽り利用している現状は世界的に社会問題となっている。こう指摘するのは、今年12月に株式会社4kizを立ち上げ、自身を教育イノベーターと称する本山勝寛氏だ。

同氏は、新たに"安心安全な子供向けプラットフォーム"をつくり、日本国内のみならず世界に向けても展開を目指している。そのコンセプトとは。また、彼が日本財団の管理職というポジションを手放し、40歳にして起業を決めたきっかけは何だったのだろうか。

 

今までなかった「子ども向けの安心・安全なSNS」

【鬼塚】本山さんは、東京大学とハーバード大学大学院を卒業して、日本財団に14年間勤務し、退職し、独立したのだとか。これから、どんな事業にチャレンジするんですか?

【本山】株式会社4kizという会社を12月1日に創業しました。「フォーキッズ」と読むのですが、「子どものために」という想いを込めた名前です。世界でこれまでになかった、12歳以下の子ども向けに特化したSNSを新たに開発し、子どもたちにとってオンライン上の居場所となるプラットフォームをつくりたいと考えています。

みなさんがよく使っているFacebookやInstagram、TwitterやTikTokも全て利用規約上、13歳以上しか使えないんです。12歳以下の子どもが使える本格的なSNSは、今まで世界に存在していなかった。

でも、コロナで子どもたちがネットにアクセスするのは当たり前の時代になった。なのに、安心・安全な子ども向けのSNSはなく、年齢を偽って大人向けのSNSを規約違反して使ってしまっています。実際にそれが世界的な社会問題にもなっています。

だから、親子で取り組むことで安心・安全な子ども向けSNSを開発して、提供します。

【鬼塚】具体的にはどんなことができるんですか?

【本山】安全でかつ、子どもの創造性を育むために、子どもたちが創作する絵やブロック、昆虫・植物観察、自由研究やプログラミングなどの作品をシェアするSNSを想定しています。

日本の子どもたちは、勉強を教わったり、YouTubeを視聴したりと受動的なインプットの機会は多いけど、自分で考えて創り出すアウトプットの機会が圧倒的に少ないんですよね。だから、子どもSNSは、創作品を楽しくシェアし合うというコンセプトです。

たとえば、夏休みになったら全国約600万人の小学生が一斉に自由研究をしますよね。毎年何をやったらいいか分からないし、せっかく苦労して作っても学校に提出して終わり、だともったいないじゃないですか。

みんなの自由研究や工作が見れて、お互いにコメントし合ったりすることで、刺激し合いながら、ヒントにもなり、「またすごいのをつくろう!」っていう気持ちになります。

昆虫が好きな子は、セミの羽化の様子を動画で撮影してシェアし合ったりとか、「珍しい昆虫を見つけたけど何か分かる?」って写真をアップしたら、全国から昆虫好きがコメントし合うとか、好きなこと同士でつながり合えます。

 

独立を決めたのは「貧困家庭で育った経験」があったから

【鬼塚】なるほど。子どもたちにとって必要なオンライン上のコミュニティになりそうですね。

そもそも、なぜ独立したのですか?5人もお子さんがいて、前職の日本財団では管理職として安定した仕事に就いて、公私共に充実していたと思うんですが。

【本山】僕はもともと母親を早くに失くし、貧困家庭で育ったんです。家は貧しく、親も家にいなく、高校時代から毎日アルバイトをして生計を立てていました。そこから独学で東大とハーバード大学院に進学したのですが、自分がそういう機会を得られたのは、自分のためだけじゃなく、社会のため、世界のために何かを成し遂げるために導かれてきたと感じてきたんです。

ハーバードを中退したザッカーバーグがちょうどFacebookを立ち上げて一般公開したのが、私が留学していた時期でした。卒業式には同じくハーバードを中退したビル・ゲイツのスピーチを聞きましたが、そんなハーバード時代の影響もあり、いつか起業をしようという想いはずっとありました。

日本財団で、子どもの貧困対策の事業責任者を務めてきましたが、貧困家庭の子どもに無料で支援を届けるには、財団の予算にも行政の予算にも限界があって、どうしても一定の人数にしか届けられない。日本財団の事業で数千人の子どもたちを救うことはできても、それ以上ひろげる仕組みがないと感じていました。

でも僕自身、貧困家庭で育ってきましたが、貧困かそうじゃないかというラベリングではなく、一人の人間としてチャレンジできる機会を与えられ、ここまで来れたと感謝しています。だから、すべての子どもたちに、無料で好きなことを思いっ切り伸ばして、チャレンジできるようなプラットフォームをつくりたいと考えたんです。

だったら、無料で使えるSNSこそが、すべての子どもたちが参加できる場になるんじゃないかって、雷が落ちるように閃いたんです。今やFacebookは世界で28億人が使っていますが、それも13歳以上だけで、12歳以下の子どもは使えていない。まだその権利をもっていない。だったら、自分でいいものをつくろうと思いました。

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