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「家族の命を守るため」気象キャスター斉田季実治と妻・英子が夫婦で話し合ったこと

斉田英子(キャリアコンサルタント)

2022年02月08日 公開 2024年12月16日 更新

「家族の命を守るため」気象キャスター斉田季実治と妻・英子が夫婦で話し合ったこと

「家族は話し合いがすべてです!」と、家族の話し合いの大切さを訴える、キャリアコンサルタントの斉田英子さん。特に、家族の命を守るための、防災に関する会話は大事なことなのに、どうしても後回しにしてしまいがち……。災害についての話し合いの具体例として、斉田さんが防災の専門家である夫・斉田季実治さんと行った会話を再現して紹介します。

※本稿は、斉田英子『家族と話をしてますか?』(PHP研究所)より一部抜粋・編集したものです。

 

大事なことは命を守る行動

我が家は、夫の仕事柄、様々な災害について話しています(夫は気象予報士、気象キャスターの斉田季実治です)。自然は時に恐ろしく、不意に私たちの想像を超えた猛威を振るいます。

何かが起こる前に繰り返し話す必要があるテーマです。そうしないと、人は過去の脅威を忘れてしまいます。

忘れてならないのは、私たちは自然環境とともにあるということ。限りある資源から、美しい自然環境から、多大な恵みを得ていること。

非日常の出来事で難しいテーマだと感じますか。もし、話すには難しいと思う場合は、何気ない日常の小さな出来事から始めてみましょう。口を開く練習です。

子どもたち自身が、命を守るための防犯や防災行動について学校でどんな学びをしているのか、そのとき友達とどんな話をしたのか。新聞やニュースで見聞きしたことも、話し合ってみましょう。

毎日の本当に小さなおしゃべりを大事に続けてほしいです。

何でも言っていいのだ、いろいろな考えがあっていいのだ、という心感を積み重ねることが大事です。

まじめに議論しなくても、かっこ良い結論に導かなくてもいいのです。たくさんのささやかなおしゃべりが家族にはもっと必要です。

そして、その小さなこと(幸せ)も大切な命も瞬時に奪われることがあります。予期せぬ出来事、自然災害、不慮の事故や事件など、身近に起こり得ると少しばかりの緊張感を胸に。

 

防災についての夫婦の話し合い

英子「防災行動として命を守るために夫婦は日頃から話し合っておく必要があるね」

季実治「まずは、土砂災害や浸水など、どんな危険があるかをハザードマップで知ることだよね」

英「住んでいる場所や諸事情は人それぞれ違うからね。一般的な本や手引きを読めば終わりというわけではない。誰と住んでいて、その人たちの健康状態も考慮しないと。子どもが乳幼児だった頃は、避難所には行けないだろうと思ってた。子どもの泣き声で迷惑はかけられないと」

季「避難所以外の案も考えておくといいね。安全な場所にある親戚や友人の家、状況によってはホテルに泊まるのも選択肢の一つだと思う」

英「いくつかの選択肢があると思うと安心する」

季「そうだね。意外に見落としていることもあると思うよ。子どもの通学路や通勤途中の経路はどんなか。どこで災害に遭うかわからないという意識も大事だね。一つひとつ家族で日頃から話し合って、妥協なき備えが大事」

英「災害の多い日本では必須だね。大雨や台風が去ったあと、子どもた
ちと通学路をチェックして歩いたね」

季「倒木もたくさんあった。子どもたちと一緒に歩いたのがよかった」

英「命を守るための行動って、事前にどれだけ準備ができているかが重要だね」

季「そう。自宅が比較的に安全だと判断できたとしても、水や食料、易トイレなどの備蓄は必要。それから、家族や親しい誰かと離れているときに災害に遭ったらどうするか。特に子どもたちにはしっかり話しておく必要があるね」

英「正直、慌てるだろうなあ、一瞬、パニックになる。想定外の事実に直面したときって、一瞬フリーズしてしまう」

季「だからこそ、日頃からできることをするしかない。災害時にはあらゆる情報が飛び交い、時にデマが拡散することもある。信用できるサイトやアプリなどを調べておいて、使い慣れておくことも大事だね」

過去の経験を忘れず、話し続け、知恵と工夫を積み重ねていきましょう。家族ばかりでなく、近隣や地域でのつながりが大きな支えとなることは間違いありません。隣に誰が住んでいるかと関心を寄せ、通りすがりにあいさつをしたり、ちょっとした立ち話をすることもいいですよね。季節の変化や日々の天気のことをきっかけにしたらどうでしょう。

その小さな交わりを通してつながりが生まれます。 

そうはいっても集合住宅などで、まるで周囲の状況が分からないという方は、閉じた空間に住むメリットとデメリットとを改めて考えてみてください。

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