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ジーコに日本での活動をオファーした? アントニオ猪木の「闘魂ブラジル外交」

原悦生(カメラマン)

2022年04月28日 公開 2024年12月16日 更新

 

ブラジルの「燃え続ける島」で救った小さな命

この滞在中、フィゲレイド元大統領の側近から小さな黄金の猿ライオン・タマリンが"燃え続ける島"で危機に瀕しているという話を聞いた。

すると、猪木は消防署に出向いた後、すぐにヘリコプターで、その島に向かった。当初の予定にはなかった行動だ。

リオの海は汚染が進み、油で汚れていた。どれだけ汚れているかは上空からでも、はっきりとわかった。黒い油で海面が光っている。

私から見ても悲劇的な状況だった。これでは有名な「イパネマの娘」もかわいそうだ。しかし、これが現実なのだ。

問題の島の方は、火山灰が積み重なったような状態だった。ヘリが着陸を試みたが、その灰を巻き上げてしまう。パイロットは首を横に振った。

「灰の下は、たぶん燃えている。着陸したら、燃料に引火してしまうかもしれない」

着陸を断念した我々は、その日はライオン・タマリンを目撃することができなかった。

それから数年が経って、猪木がライオン・タマリンを救出し、どこかの施設に入れたという話を耳にした。

この時、私は同行していない。その功績を称えられて、猪木はブラジル政府から表彰されたようだ。

 

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