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息苦しさの原因は幼少期の「親のダメ出し」?心のノイズを取り除く方法

山根洋士(一般社団法人メンタルノイズ心理学協会チェアマン)

2022年04月21日 公開 2024年12月16日 更新

息苦しさの原因は幼少期の「親のダメ出し」?心のノイズを取り除く方法

「私って自己肯定感が低い」と悩んではいませんか?どうせ何をやってもうまくいかない、何事も続かない、誰にも認めてもらえない…。自己肯定感の低い人は、こうして必要以上に自信を無くしたり、自分を責めたりしています。

そんなふうになってしまうのは、あなたの「メンタルノイズ」が原因です。メンタルノイズは、いわばあなたの「心(考え方)のクセ」。日常生活のさまざまな場面で、あなたの思考や行動を無自覚に邪魔しているものです。

その"心のクセ"を直して、生きづらさから抜け出しましょう。

※本稿は、『PHPスペシャル』2022年5月号より内容を一部抜粋・編集したものです。

 

心のクセは、幼少期の「思い込み」が原因?

心のクセは、これまで生きてきた過程で知らず知らずのうちに形成されていきます。主に6歳くらいまでの経験や学習の記憶が素となり、「こういうことをしてはダメ」「こういうことはしたほうがいい」といった"自分のルール"のようなものが作り上げられます。

親に繰り返し「〇〇してはいけない(ご飯を残してはいけない、嘘をついてはいけないなど)」と言われると、無自覚にその通りに行動してしまう、といった具合です。

この"自分ルール"の中には、思い込みや勘違いで作られているものがたくさんあります。それが、あなたの思考や行動を邪魔する心のクセ=「メンタルノイズ」になっているのです。

たとえば、完璧主義の厳しい両親のもとで育つと、子どもは「完璧でなければ生きてはいけない」と思うようになります。すると大人になっても「完璧主義ノイズ」が働き、物事がうまくいかなかったときに自分を責めたり、過度に落ち込んだりしてしまいます。あるいは慎重になりすぎて、いつまでたっても行動できないでいます。

このように、ノイズはさまざまに発動して私たちを息苦しくさせているのです。

まずは、このノイズの存在に気づくことが大切です。あなたがうまくいかないのは、「あなた」のせいではありません。「ノイズ」のせいなのです。このことに気づくだけで意識が変わり、見える世界が違ってくるでしょう。

「心のクセ=メンタルノイズ」は誰しもありますが、自己肯定感の低い人は概してこのノイズに邪魔をされやすい傾向があります。ですが、その傾向は変えることができます。「メンタルノイズに邪魔されない=心のクセを直す」ためのイチ推しワークをご紹介しましょう。

 

(1)自分を大絶賛してくれる「インナー舎弟」を作る

【ワークの手順】

(1)自分の中に、「自分に絶対的に仕える存在」を設定する

(2)(1)の存在に、自分のあらゆる行動をほめてもらう

自己肯定感の低い人は、自分をネガティブに見てしまう傾向があります。「インナー舎弟」は、そんなネガティブ思考を防いでくれる、ちょっとした考え方のコツです。

自分の心の中に、自分に絶対的に仕えてくれる、あるいは何でも自分を持ち上げてくれる存在がいると思ってください。たとえば子分や舎弟、メイドや執事、好きなアニメのキャラクターなど、自分がその気になれるものなら何でもOKです。

そして、その存在に何でもほめてもらうのです。どんなに何気ない行動でも、些細なことでもいいのです。お茶を飲んだら「お茶を飲んだ、すごい!」、服を着たら「何を着ても似合う!」、ご飯を作ったら「ご飯を作れるなんて、かっこいい!」…。

心のクセを直すには反復が一番です。繰り返すうちに、ネガティブな考え方をしないようになります。

「自分で自分をほめるのとは違うの?」と思われるかもしれませんが、自分で自分をほめると、自己肯定感が低い人は、ほめた瞬間にそれを否定する自分が出てきてしまいます。そうして「自分との闘い」になって、余計に疲弊してしまうのです。架空の別人格を作り、ほめさせることで、「自分との闘い」を回避できます。

ちなみに、以前サッカーの本田圭佑選手がACミランに移籍する際、会見で「どのクラブでプレーしたいのか、心の中の"リトルホンダ"に聞いてみた」と言っていました。このようにスポーツなどの一流選手には心の中に自分を鼓舞する存在を持つ人が多くいます。

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