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非難が集まる「競馬」...ギャンブルのためなら虐待は許されるのか?

2022年06月03日 公開

佐々木正明(ジャーナリスト・大和大学教授)

 

「人間の生き方は間違っている」6時間に及ぶ生中継

レンとミミが競馬をターゲットにしたのは、こうした背景があった。雪が降る中、連日、観客席からカメラを向けて、ばんえい競馬の様子をレポートした。

インスタグラムでライブを行ったレンは、施設の外壁に描かれている馬の親子が寄り添うアニメ調の壁画を見つけ、カメラをズームアップしながら吐き捨てるように言った。

「北海道では、母馬と仔馬が一緒にいて、愛情あふれるような絵やポスターとか見たことがあると思いますが、あの馬たちは結局、殺されていますからね。競馬とかで使われた馬で残れるのは数パーセントしかいないんです」

その口調には、競馬そのものに対しても嫌悪感を抱くレンの心の内がにじみ出ていた。

2人は4日間、帯広競馬場に通い詰め、インスタグラムだけでなく、ありとあらゆるSNSを使って現場から生中継を行い、支持者たちに「拡散してください」と訴えた。

「人間の生き方は間違っている」

レンは6時間以上にも及んだユーチューブの中継ライブで、こんな説明を行った。

「競馬自体が問題であって、これは虐待レースなんです。競馬は馬が好きな人がやっているのではない。ギャンブルを好きな人がやっているんです。『人間の生き方は間違っている』と大声で言って、これを変えようとしている人もいる。馬の問題も、鶏や豚、牛などの畜産動物の問題と一緒で最悪の状況にあり、これを変えなくてはならない」

批判の高まりに対して、日本中央競馬会(JRA)も対応に乗り出している。騎手の鞭の使用に関して規制を改めた。

鞭の長さは77センチ未満とし、動物愛護の観点から馬体の保護のため鞭の先端にパッドを装着することを義務付け。

さらに馬が怪我をするほど、過度に強く鞭を使用したり、着順の大勢が決した後に、過度に鞭を使用したり、頭部もしくはその付近に対して鞭を使用したりすることを禁止した。

地方競馬全国協会でも2017年4月にルールを改正し、騎手が制限されている鞭の使用に関する規則に抵触した場合、処分を強化することを決めた。

競馬の世界でも、動物の命を大切にするための取り組みが促進され始めているのである。

 

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