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くらし

スマホ老眼を「たかが近視」と見くびってはいけない怖い理由

平松類(眼科専門医、医学博士)

2022年07月20日 公開

 

セルフケアで「よく見える目」に

目に悪いからと言って、私たちは今さらデジタル機器を使わない生活には戻れません。老眼を止めることもできません。

そこで私がすすめる6つの習慣をご紹介します。ポイントは、「目の負担を減らす」「目の機能そのものをアップさせる」「脳の資格情報処理能力をアップさせる」の3つです。

目の病気をいかに防ぐか、老眼の進行をいかに遅らせるかで、人生の質は大きく変わります。これらの習慣をぜひ取り入れていただきたいと思います。

 

視力のための6つの習慣

ここで紹介する視力アップのための習慣は、科学的に実証されています。簡単にできて、お金もほとんどかかりません。どうぞ気軽に始めてみてください。

(1)1日1回は外に出る
家の中に閉じこもっていると、スマホの画面など近くでものを見ることが増えてきます。特に在宅で仕事をしている人は、パソコンの画面を見続けるために毛様体筋の緊張が続きます。
スマホやパソコンから離れ、近くばかりを見る習慣を改善するためにも、1日1回は散歩や買い物などで外に出るようにしましょう。

(2)有酸素運動で目の血流をアップ
目には無数の欠陥が通っています。全身の血流をよくする有酸素運動は、眼の病気の罹患リスクを抑えることがわかっています。
最も手軽なのはウォーキング。1日30分、週3回行うのがおすすめですあg、忙しい人は階段の上り下りでもOK。体を左右にねじって手をぶらぶらさせるツイストエクササイズでも十分効果があります。

(3)目を温めて涙の質を高める
目の表面を覆って目を保護している涙は、水分だけではなく、油分量がバランスよく分泌されていることが重要です。
目を温めると油の分泌が促され、涙の質を上げることができます。目の血流もよくなり、眼精疲労の改善にも効果的。水で軽く濡らしたタオルを電子レンジで温め(600Wで40秒ほど)、まぶたの上に1~5分のせましょう。(やけどには十分注意してください。)

(4)目に必要な栄養素をとる
野菜などに含まれる抗酸化物質は、細胞が活性酸素によって傷つけられるのを抑える作用があります。
とくに強力な抗酸化作用があるルテインやビタミンC、ドライアイの改善に役立つDHAやEPA、視神経をつくるビタミンA、眼の細胞膜の合成に欠かせないビタミンEを意識してとりましょう。

(5)スマホは目に負担をかけない使い方を
ポイントは、画面の明るさは中レベル以下にして、寝そべった姿勢で見ないこと。上目遣いで見ると、下目使いの2倍も目が乾きやすくなります。
連続してみる場合は、30㎝以上離して。60分以上使いたい場合は、いったんスマホを目から離して遠くを見るようにしましょう。タブレットやパソコンの場合も同様です。

(6)目のトレーニングをする
目のピント調整力を鍛えるための毛様体筋ストレッチと、加齢とともに徐々に狭くなる有効視野(自然に見える範囲)を広げる周辺視ストレッチをしましょう。
有効視野が狭くなると、障害物などが目に入らなくなり、けがや事故を起こしやすくなりますよ。よく見える目を手に入れるためにも、このトレーニングは毎日続けてください。

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