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コレステロールが老化予防に!? 医師が語る「若さを保つ」習慣

和田秀樹(精神科医)

2022年08月22日 公開

 

「ウォーキング」より「のんびりお散歩」

体の老化は足腰から始まります。ですから、普段から足腰を鍛えておくことはとても大切なことで、「歩くこと」はそのいちばん基本的なトレーニングといえます。

歩くことで、足腰だけでなく心肺機能も高まり、汗をかいて水分補給をすることで代謝機能も高まるほか、適度な運動なので食欲も高まります。

そんなことで「ウォーキング」も一時期ブームになりましたが、私としては、ひたすら歩くだけのウォーキングより、「のんびりお散歩」のほうをむしろお勧めします。ひとつには続けやすいということもありますが、脳にとってさらなるメリットがあるからです。

散歩道にある街路樹や公園には、様々な草木や花々もあり、四季折々の変化を楽しんだり、日一日のなかにも小さな変化があることを発見できるかもしれません。また、のんびり考え事をしながら歩いているうちに素晴らしいアイデアが浮かんでくるかもしれません。

時にはちょっとしゃれた喫茶店や新規開店したレストランを見つけて一休みしたり新しい「味」に出会ったり、あるいは本屋さんに立ち寄って新しい本を探してみたり...などなど。

このように散歩道には変化と想像の場があふれています。このような環境で脳は快感に満たされ、リフレッシュでき、活性化されるのです。

 

「コレステロール」にも長所がある

内臓脂肪が蓄積したメタボリック症候群は、肥満症、糖尿病、高血圧、高脂血症を併発し、これが動脈硬化の引き金になることから、さかんに「メタボ予防」が叫ばれています。

メタボの要因の1つとなる「コレステロール」は目の敵にされ、肉類をはじめ、いわゆる「悪玉コレステロール」を多く含む食品は極力摂らない、という人もいます。

しかしとかく悪者扱いされるコレステロールにも、実はすぐれた長所があるのです。

コレステロールは、体を構成する細胞膜の原料でもあるため、コレステロールが不足すると細胞の再生がうまくいかなくなり、その結果老化が進んでしまいます。

また、コレステロールからつくられるエストロゲンという女性ホルモン(男性にもあります)は、骨粗しょう症やアルツハイマーを予防する働きがあることがわかっています。

もちろん、コレステロール→メタボ→動脈硬化という図式があるのは否めないにせよ、また暴飲暴食は慎むべしとしても、美味しい食事、美味しいお酒を楽しむことこそ脳に喜びを与えます。

無理に我慢して食事制限をして欲求不満になるより、気にせず食べたいものを食べてお酒を飲んでハッピーな気分になるほうがよほど健康的といえるでしょう。

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