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自ら「やる気をコントロールできる人」が成功する

小笹芳央(リンクアンドモチベーション代表取締役)

2012年04月11日 公開 2022年12月27日 更新

自ら「やる気をコントロールできる人」が成功する

やる気をコントロールできる人が成功する。仕事をする上で重要な「自己モチベーション管理」を、身体を鍛えるような感覚で楽しく行なう方法を小笹芳央氏が紹介します。

※本稿は、小笹芳央著『1日3分で人生が変わる セルフ・モチベーション』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「自分探し」よりも「自分創り」

私は常々、若手ビジネスパーソンや学生に「自分探し」よりも「自分創り」の重要性を説いてきました。なぜなら、どこにも存在しない「本当の自分」を探すことに躍起になって、肝心の「自分創り」を怠っている若者が増えていると感じたからです。

拙著『1日3分で人生が変わる セルフ・モチベーション』では、今の自分に少なからず不満や不安を抱える人向けに、「自分創り」に効果的なさまざまなトレーニング・メニューをつめ込みました。

・これまでの凝り固まった“自分”をほぐす〔ストレッチ編〕
・捨てるべき固定観念や週間と決別する〔ダイエット編〕
・変化に向けて心と体を温める〔ウォームアップ編〕
・隅々まで鍛え上げる〔パワーアップ編〕
・新たな自分創りを継続する〔クールダウン編〕

それぞれ10項目のメニューがありますが、各チャプターは「3分で読める」分量に凝縮しています。「ちょっと億劫だな」と思っていた方、「もう充分でしょ」と思っていた方も、今一度重い腰を上げて、自分創りのトレーニングを始めてみましょう。そうすれば、新しい自分と出会えることうけあいです。

ストレッチに入りましょう。まず、本格的なトレーニングを始める前の「準備運動=ストレッチ」をしていきます。運動前に体全体を伸ばしてほぐす、ストレッチ体操と同じように、あなた自身をほぐしていくことから始めましょう。

知らないうちに凝り固まってしまった、あなたの視点や価値観や常識などを、少しずつ溶かしていきます。そして、何気なく過ぎていく日常、自分でも気付いていなかった想いなどに向き合い、ほぐしていくことで、新しい自分へと変化していくための準備が整っていきます。

読む前に、構える必要もありません。自然体のあなたで、ストレッチを始めてみましょう。(ここでは、10項目のうち2項目をご紹介します:WEB編集担当)

 

残された時間を計算せよ

もし、あなたが今日、25歳の誕生日を迎えたのだとしたら。30歳まで、何週間あるか、あるいは何日あるか、具体的に計算したことはありますか?

定年を迎える65歳までは?

そして、極端なことを言えば、死ぬまでにあと何日、何時間残されているのでしょう?

人はなんとなく「25歳くらいには英語がベラベラになっていたい」「30歳までに転職したい」「40歳までに起業したい」というように、漠然と将来を思い描いていたりするものです。しかし、実際にそれが何日、何時間ある、というところまで具体的に自分に残された時間を計算したことがある人は、そう多くないはずです。

25歳の誕生日。30歳までは、5年間、うるう年も含めると1826日です。こう聞くと、すごく時間がありそうですよね。

では、たとえば5年間で英語をモノにしよう、と一念発起したとします。諸説ありますが、英語学習で一定の成果があるのは、学習時間が2000時間を超えたときだといいます。

だとすれば、5年間、1日も休まず毎日1時間勉強しても、その時間数に達することはありません。加えて毎日1時間、とは、簡単そうに聞こえて、その時間を確実に取り、継続するのは至難の業であることは、皆さんも体験的にご存じではないでしょうか。

あるいは5年間、1週間に1冊、本を読むと決めたら。これも実際には大変なことですが、約260冊。現実的に考えて、1カ月に1冊ならば、60冊。60冊とは、90センチ幅の本棚で2段に満たない数にすぎません。

もう少し、モノサシを先にのばしてみましょう。たとえば、25歳の人が60歳になるのは35年後。海外旅行が大好きで、1年に1回、1カ国訪れるとしたら、35カ国訪問できることになります。しかし、数え方がいろいろありますが、国の数は世界に200前後あります。だとすれば、全体の6分の1程度の国しか見られないのです。

毎日、毎週、毎月、毎年やることがあと何回できるのか。このような具体的な数字に落とさなければ、「時間は有限である」という当たり前の事実に気付くことはできません。

私自身の経験で言えば、初めて時間の有限性を突き付けられたのは、高校時代のラグビー部のチームメイトの死でした。昨日まで、一緒に練習していたのに。その喪失感はとても大きなものでした。

より身近に意識したのは、31歳で父を亡くしたときです。自分の時間も永遠ではない、必ず終わりがあるものなのだという事実がより現実的になりました。

とはいえ、いつ、どこでその瞬間が訪れるのかは誰にもわかりません。死は確実にすべての人に訪れますが、自分で自分の寿命を知ることはできないし、長さを自由に操ることはできないのです。

しかし、私たちは、時間の"濃さ"を変えることは可能です。ぼんやりと過ごしていても1日。本を読んで過ごすのも、同じ1日。外に出て刺激的な人に会うのも、同じ1日。もし、今の自分の生活がなんとなく物足りず、満足できない、変化を起こしたいというのであれば、時間の有限性を理解し、1分、1時間、1日を大切に、自分にとって意味のある時間を過ごすことが原点になります。

時間が有限だと思えばこそ、自分が成し遂げたいことに優先的に取り組まなくてはいけません。何歳までになりたい自分になろうとしたら、毎日、何分、これに時間を費やさなければならない。これをあと何歳までに何回やろうとしたら、何日に1回やらなければならない。残された時間を計算することは、そういう事実をとても具体的に私たちに握示してくれるのです。

さて、あなたは何年後にどんな自分でありたいですか?
そのために残された時間は、どれくらいあるのでしょう?
毎日、毎月、毎年、何をしたいですか? それは何回できますか?

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常識のメガネを外せ

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