成長マインドセットは常にチャレンジへと導く
一方の成長マインドセットの人は、持って生まれた才能、適性、興味、気質は一人ひとり異なるけれど、努力と工夫を重ねることで、誰でも大きく伸びていけるという信念を持っています。
失敗とは成長が足りないことであり、自分が大切だと思うものを追求せず、可能性を十分に発揮できなかった結果だと考えます。そのため、思い通りに行かずうまくいかないときには、それはなぜなのか、どうすればうまくいくのか、そのために自分はどうすればいいのかと粘り強く考えます。
能力は伸ばせるものと信じる人は、努力や工夫こそが人を賢く有能にしてくれると考えます。こうして成長マインドセットの人は、さらにチャレンジを重ね、人生の試練を乗り越える力を発揮して、より成長していくのです。
支援者のマインドセットが重要
ドゥエックは、さらに、親や教師など教育者、支援者のマインドセットと支援方法の重要性も指摘します。支援者がまず成長マインドセットであることが大切なのは言うまでもありません。
その根底にあるのは「人は変われる」という信念であり、成長を信じることが基本です。そして、相手の成功を称賛するときはその能力の高さではなく、プロセスとその結果に着目し、失敗を注意するときも能力ではなくその原因と今後の改善の方向に着目するのです。
本人の内省を促しながら、本人自身が成長マインドセットを持続できるように支援していくことが大切なのです。
【参考文献】「MINDSET「やればできる!」の研究」(編著:キャロル・S・ドゥエック/訳者:今西康子/出版社:草思社)