モタさんの 仕事に追いつめられない “大丈夫!” な考え方
2013年10月09日 公開 2024年12月16日 更新
小さな目標から始める
あなたは自分の将来を、どんなふうにしたいと考えているだろうか。
会社内での順調な昇進や、新しいスキルの習得、アイデアの実現、あるいはメンタルなことで、いまよりもっとよくしていきたいと思っていることだろう。
目標がある人の毎日は、張りのあるものになる。ステップアップできることはとても楽しく、自分に自信がつくものである。
けれども、ときには思い通りに先に進めないこともある。
そりの合わない上司と一緒に働くことになったり、競っていたライバルに負けてしまうかもしれない。ふとした瞬間にかいま見えた自分の性格や心のうちに、自己嫌悪することがあるかもしれない。
「もうだめだ」「なんて無力なんだろう」「もっと大人にならなければ」
実は、そう感じた瞬間にこそ、伸びていける人、そうでない人との差が開くのである。
思い通りに先に進めず、あきらめや悲しみの気持ちを感じるのは、めざしている目標にたどり着くまでに、息切れしてしまっている状態なのである。
そんなときには、まず手前に、「小さな目標」を立ててみよう。そして、その目標が達成できたら、さらにまた次の「小さな目標」を立てる。
それを繰り返すうち、あなたはきっと「めざしていた目標」に到達できるだろう。
同時にまた、自分が大きく成長したことを実感できるにちがいない。
自分の力のなさを感じたときに、そこで努力をやめてしまうか、それとも、もっと違った視点を持てるか。これが、将来の成長や目標達成ができるかを決める、わかれ目になるのである。
人は樹木と同じで、ある日突然大きく成長することはない。
厳しい夏の日差しに晒されたり、思いがけない雪の重みで枝が折れたりしながらも、毎年少しずつ成長する。四季が巡るごとに年輪を刻み、気がつけば、仰ぎ見るような大木になっているのである。
成長を焦るのは、あなたのためにならない。
ゆっくりでいいから、ひとつひとつ目標を定め、しっかりと歩いていこう。
◎ポイント◎ 成長を焦らない、自分を励ますことを忘れない
<書籍紹介>
モタさんの落ちこみやすい人の”大丈夫!”な考え方(愛蔵版)
くよくよ思い悩む。自分で自分を好きになれない――そんな「落ちこみやすい」気分を変える、ちょっとした考え方、暮らし方の秘訣。
<著者紹介>
斎藤茂太
(さいとう・しげた)
1916年生まれ。精神科医・医学博士。斎藤病院名誉院長、日本精神科病院協会名誉会長、日本旅行作家協会会長など多くの要職を務めた。歌人で精神科医だった斎藤茂吉の長男。作家北杜夫の実兄。長年、家族・夫婦・子育て・心の病・ストレスを扱い、「心の名医」として厚い信頼を受けてきた。また、ユーモアあふれる柔和な人柄と、豊かな人生経験からの適切なアドバイスで多くの人から親しまれた。愛称は“モタさん”。2006年11月、逝去。