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社会

「使えない&使われない」職場の"誰得システム"を生み出す真犯人

沢渡あまね(業務改善・オフィスコミュニケーション改善士)

2018年12月07日 公開 2024年12月16日 更新

「使わない」システムを生みやすい3大部門

もはやだれも使っていない、ゾンビのようなシステムを生みやすい3大部門(あくまで著者の経験則によります)。

それは……「経営企画部」「社長室」「○○推進室」! これら3つの部門が「システムを作りたい」といってきたら、要注意! そのシステム、使われなくなる可能性があります。この3大部門の共通点は何でしょうか?

ずばり、ライン業務(定常業務)を持たない!

名のとおり、既存のどの部署にもない新規業務や仕組みを考えたり、経営者の思いつき……もとい……突発オーダーに対応したり、3ヵ年の中期計画の目標達成など短期ミッション完遂の支援を目的に存在する部隊。よって、どうしても近視眼的になりがちです。

「社長がシステムを導入しろといったから、とにかくシステムを入れればいい」
「中期計画の進捗管理だけのために、システムを導入する」

その結果、「それ、人手でやったほうが安いし、速くない?」という謎システムが生まれます。

冒頭の事例を思い出してください。片桐メカトロニクスの社内システム「G-SAM(グローバル販売台数管理システム)」は、前任の経営企画担当役員が自分への報告のために思いつきで作ったシステムでした。その役員がいなくなった今は、お役御免。そして、だれも使わなくなった……。システムだけが寂しく存在し続ける。悲しいですね。

また、運用体制にも不安が。システムは導入した後、すなわち運用こそが命。プロモーションしたり、マスターデータをメンテナンスしたり、エンドユーザーの窓口となって問い合わせ対応や周知をしたり、機能追加を検討したり……。

これらは、いわば定常のオペレーション業務。ところが、これら3つの部門は定常業務を設計する感覚も乏しければ、体制もない。よって、運用項目に抜け漏れが多かったり、適任者がアサインされずうまく回らなかったりと、結果として残念なシステムになってしまうケースが目立ちます。

「経営企画部」「社長室」「○○推進室」が出てきたら要注意!
ほんとうにシステム化する必要があるんでしょうか?
運用する覚悟はありますか?

何べんも問うてください。

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